たいやきさんは本を読む

臨床心理士・公認心理師の読書ブログ

2023-01-01から1年間の記事一覧

8,9,10月映画備忘録

カールおじさんと空飛ぶ家 奥さんとの絆の話が最高の山場。 睡蓮の人 (感想を見て)皆作品の造りに焦点を当てるけど、そもそも物語を正当に評価してる?… 鹿の王ユナと約束の旅 新しいファンタジーを作ろうとする意志は評価する。 インディージョーンズと運命…

(572冊目)野矢茂樹『はじめて考えるときのように』☆☆☆☆

一番気に入ったことば「論理は考えないためにある」 大学時代に論理学の勉強をさせていただいた野矢茂樹の本です。 サクサク読めて難しく考える必要はない。 哲学とは、考えるとは、というテーマが少しでも気になる人にとっては気楽に導入本として読めます。…

(571冊目)吉野源三郎『君たちはどう生きるか』☆☆☆☆☆

一番気に入ったことば「人間分子の関係、網目の法則」 宮崎駿の映画『君たちはどう生きるか』を観て、気になったので読みました。 ご存知の方も多いと思いますが、この本は原作ではありません。同じ題名ですが、物語も趣旨も別物です。 小学生、あるいは中学…

570冊目、木村直之(編)『ニュートン別冊心理学実践編 暮らしや生活にいかす、心と行動の科学』☆☆☆☆☆

一番気に入ったことば「R~i×a」 心理学の基礎的な内容をビジュアルとともに楽しく学べます。 私にとっては殆ど既知の内容でしたが、研修などでパワーポイントを用いる際、ビジュアルで印象付けるためのお手本として読んでみました。 また、内容は特に一般の…

569冊目、メイヴィス・サイ他著、杉若弘子他訳『機能分析心理療法:臨床家のためのガイドブック』☆☆☆

一番気に入ったことば「徹底的行動主義」 私自身行動分析学を基盤とし、障害を抱える子の療育や保護者支援の専門家として活動しています。そしてスキナーの徹底的行動主義を信奉しています。 ただし、科学がそうであるように、常に行動分析学の理論や徹底的…

568冊目、村上臣『日本人のキャリアの新・ルール 転職2.0』☆☆☆

一番気に入ったことば「自己の”タグ”を明らかにすること」 現在進行形で転職を考えています。 更なる自己研鑽と、それに伴うキャリアアップが目的で、収入アップはできれば…って感じですね。 この本でいうところの、タグの追加による自己の市場価値アップと…

(567冊目 )川上憲人、他(編)職場のメンタルヘルス不調 困難事例への対応力がぐんぐん上がるSOAP記録術☆☆☆

一番気に入ったことば「プライベートの悩み事についても(中略)しっかり傾聴することです。」 SOAPとは、S「subjective(主観的情報)」、O「objective(客観的情報)」、A「assessment(見立て)」、P「problem list(ケースの問題点)」に分けて記録する技法のこと…

5,6,7月映画備忘録

劇場版東京MER~走る緊急救命室~ ドラマ版視て毎回ハラハラドキドキの展開だったので映画版も期待して観ました。期待通り初めから終わりまでハラハラドキドキでした。物語のリアルさやナチュラルさに注目したら面白くないかもですが、エンタテインメント・…

(566冊目)山浦一保『武器としての組織心理学』☆☆☆☆

一番気に入ったことば「ほめ言葉には、金銭報酬と同じような心理的な効果が期待できる」 心理学の知見から、仕事に必要なリーダーシップや対人関係について学びました。会社で役職がついている人や、社内研修に携わっている人にお勧めです。 ビジネス本には…

565冊目、松本俊彦『もしも「死にたい」と言われたら 自殺リスクの評価と対応』☆☆☆☆

一番気に入ったことば「人は最後まで迷っている」 事業所で「死にたい」と言う子がいます。私は心理士なのでその言葉を受容し、否定的な言葉をかけることはありませんが、一般の方なら、「そんなこと言うもんじゃない」と単に否定したり「親に貰った命を大切…

映画備忘録2月~4月

THE FIRST SLAM DUNK 山王戦(原作ラストバトル)で懐古、宮城の新しいストーリーと原作に無かった心理描写でリメイクの二重構造。バスケットボールの弾む音や音楽による演出、そしてストーリーの最後まで魅せ方が秀逸で、なんなのこれはてくらい感動した。 レ…

(564冊目)七木田敦・山根正夫(編)『発達が気になる子どもの行動が変わる!保育者のためのABI(活動に根ざした介入)実践事例集』☆☆☆

一番気に入ったことば「かけがえのない存在として大切に受け止めることが基本」 ABIとは、Activity-Based Interventionの略です。 基本的にはABA(応用行動分析)の理論を元にした支援ですが、障害を抱える子の支援の具体的事例に沿ってABA以外の方略、例えば…

(563冊目)成田善弘(監),渡邉素子,他(編)『事例検討会から学ぶケースカンファランスをつくる5つのエッセンス』☆☆☆

一番気に入ったことば「事例検討会症候群」 今私は、所謂心理カウンセリングやサイコセラピーといった業務からは離れています。 この本では、大学院の時に行っていた、心理カウンセリングや臨床心理独特の事例検討会の雰囲気を味わえた感じがありました。 心…

(562冊目)白木裕子(編)『援助力を高める事例検討会』☆☆☆

一番気に入ったことば「参加者のための会議」 これまで大学院で学んだ精神医療分野の事例検討の知識を元にしていましたが、福祉分野の事例検討についても学びたいと思い手にした本です。 この本は新人から主任ケアマネージャーまで学べることをうたっていま…

(561冊目)キャロル・S・ドゥエック『マインドセット「やればできる!」の研究』☆☆☆

一番気に入ったことば「能力をほめると生徒の知能が下がり、努力をほめると生徒の知能が上がった」 褒め方の本について調べていて見つけた本です。 褒め方についての研究知見は役に立ちました。 著者は心理学者です。内容は心理学というより啓蒙書の分野にな…

560冊目『Newton別冊精神科医が語る発達障害のすべて』☆☆☆☆

一番気に入ったことば「腸と脳は相関関係にある」 最近参加した学会などでもこの脳腸相関について学んでいます。 ここでは腸内フローラが発達障害の症状に影響を与えているという話でしたが、それ以外にもうつ病等の精神疾患との関連も多数報告されています…

映画備忘録11月~1月

備忘録、ともにこれを書くことで映画視聴促進したい意図があります。 ・インディジョーンズクリスタルスカルの王国 インディジョーンズシリーズは何度もテレビでやっていたのを気にしていたにも関わらずこれまで未試聴だった。映画の面白さの典型みたいな作…

(559冊目)湯汲英史『0歳~6歳子どもの社会性の発達と保育の本』☆

一番気に入ったことば「大人の指示は難しすぎ?」 乳幼児期の社会性の発達をしっかり学びたいと思い購入し読みましたが、読了後残念な気分になりました。 …というのは、愛着や自我、ことばの発達過程表、定型発達の子がおおよそ〇歳でこういうことを理解する…

(558冊目)小西行郎『子どもの心の発達がわかる本』☆☆☆

一番気に入ったことば「母親が子どもの性格に与える影響はどのくらい?→10%くらいです。」 心の発達について学習したくて買った本ですが、あくまで乳幼児期の子どもをもつ親御さん、一般向けの本で、それほど深い学びは無かったです。 一部新たな知識を学べ…

(557冊目)池谷裕二『パパは脳研究者 子どもを育てる脳科学』☆☆☆☆☆

一番気に入ったことば「世間で言う「よい子」とは、実のところ「親にとって都合がよい子」、あるいは「大人が扱いやすい子」を指すことが多いようです。」 著者の子育てエッセイ+脳科学・心理学の知見が学べる。 所々に見える著者の親バカぶりがほほえましい…

(556冊目)AYURA『大きな字でわかりやすいパソコン入門ウィンドウズ10対応版』☆☆☆

一番気に入ったことば「おすすめショートカットキー」 パソコンの使い方について家庭教師をしています。 この本はその指導の為に一通り読みました。 …といっても99%知っている内容だったので文章は殆ど飛ばし読みでしたが。 飛ばし読みしながら、生徒さんに…

(555冊目)中室牧子『「学力」の経済学』☆☆☆☆

一番気に入った言葉「むやみやたらに子どもをほめると、実力の伴わないナルシストを育てることになりかねません。」 この本では、科学的研究に基づく知見を教育に役立てようと主張しています。 私もこの立場に賛成です。 日本の教育に関しては素人判断や経験…

(554冊目)D・シルヴァ、M・トーナー(著)、辻井正次、鈴木勝昭(監訳)『ADHD支援ガイドブック』☆☆☆☆

一番気に入ったことば「子どもとの強い結びつきを作りましょう」 この本の正式名称は、『子どもが楽しく元気になるための、ADHD支援ガイドブック、親と教師が知っておきたい9つのヒント』です。 私の事業所にもADHDの症状を呈する子がいます。 この本は、「…