たいやきさんは本を読む

臨床心理士・公認心理師の読書ブログ

2013-03-01から1ヶ月間の記事一覧

本日読了[337冊目]我孫子武丸『弥勒の掌』☆☆☆☆

一番気に入ったことば「これまで経験したどんなセックスよりも甘美で、どんなスポーツよりも爽快で、そしてどんな芸術よりも心震える体験だった。」 妻が失踪した教師と、妻を殺された刑事が真相を追って、宗教団体「救いの御手」を探っていきます。 少しず…

本日読了[336冊目]斎藤環『思春期ポストモダン 成熟はいかにして可能か』☆☆☆

一番気に入ったことば「「近親相姦」(…)欧米では父と娘の間で起こりやすいけれど、日本では母と息子という組み合わせが圧倒的らしい。」 さらさら読めます。 途中DSMによる各精神障害の診断基準の抜粋も載っています。 若者に対するラベリングがなぜ起こ…

えいがものろーぐ「八日目の蝉」

すごく考えさせられる映画でした。 親が子どもを愛する気持ちとはどのようなものか。 僕自身、産みの親と育ての親が異なります。僕の場合育ての親は祖母であり、全くの他人ではないのですが。 子どもと親の愛情はお互いのコミュニケーションの中で育まれるも…

本日読了[335冊目]山野良一『子どもの最貧国・日本   学力・心身・社会におよぶ諸影響』☆☆☆☆

一番気に入ったことば「自己責任論」 貧困問題や経済格差問題を児童福祉司の視点から論じた本です。 量的データを元に貧困と子どもの学力の相関、ならびに貧困と子どもの心身の健康問題の相関を示しています。 全体を通して丁寧に論を進めている印象でした。…

本日読了[334冊目]野島一彦(編)『臨床心理学への招待』☆☆☆☆

一番気に入ったことば「お金あるいはお金の払い方にクライエントそれぞれの面接あるいは面接者への空想、転移が示されているということが分かる」 学部一年生のときに購入し、部分的に読んでほったらかしにしていたものをあらためて通読してみました。 テキ…

2012年1、2月に視た映画の感想

①アヒルと鴨のコインロッカー 話の展開だけで見せる映画。原作を読んでないので、共通点や相違点もわからないので、一体何を見せたかったのか理解できませんでした。見どころはいろいろ突拍子もないところでしょうか。 ②ベンジャミン・バトン 数奇な人生 ス…