一番気に入ったことば「人間分子の関係、網目の法則」
宮崎駿の映画『君たちはどう生きるか』を観て、気になったので読みました。
ご存知の方も多いと思いますが、この本は原作ではありません。同じ題名ですが、物語も趣旨も別物です。
小学生、あるいは中学生の頃の自分にこの本の存在を教えてあげたい。
主人公コペル君の成長の物語と読むこともできるし、著者の解説にあるように倫理の教科書として読むこともできるし、また、当時の社会情勢に合わせてファシズム(結束主義)やトータリタリアニズム(全体主義)に合わせて文学としての批判を呈していると読むこともできます。
宮崎駿作品の『君たちはどう生きるか』については、本書と同様に少年期の成長の物語としての共通点をみることもできますが、私としては、宮崎駿が「私はこう生きた、ところで、君たちはこれからどう生きるか」と問う作品と感じた。
単に享受する作品も面白いけれど、やはり思考を喚起させてくれる作品の方がもっと面白い。