たいやきさんは本を読む

臨床心理士・公認心理師の読書ブログ

2012-03-01から1ヶ月間の記事一覧

本日読了[292冊目]河合隼雄・村上春樹『村上春樹、河合隼雄に会いにいく』☆☆☆

一番気に入ったことば「生きることが大事なんだから」 殺すことによって、つまり自殺や他殺によって癒される人がいたら、その人をどうやって癒し、治療を行うのか。 この本は対談本の割に読みやすいと感じました。それは対談している両者の信念がはっきりし…

本日読了[291冊目]ドーン・ヒュブナー/上田勢子訳『イラスト版子どもの認知行動療法② だいじょうぶ 自分でできる怒りの消去法ワークブック』☆☆☆☆

一番気に入ったことば「きみは自分の人生の運転席に座るんだよ」 怒りとは何か。 社会的学習理論によると、怒りに伴う攻撃行動は後天的に獲得されたものとしています。 また、感情は人類が社会性を形成する過程で進化してきたものだとする説もあります。 恐…

本日読了[290冊目]ドーン・ヒュブナー/上田勢子訳『イラスト版子どもの認知行動療法① だいじょうぶ 自分でできる心配の追いはらい方ワークブック』☆☆☆☆

一番気に入ったことば「外在化」 この本は悩みを持つ児童を対象に、認知行動療法の理論を基盤にして、自助的に改善していくためのワークブックです。 絵本のような作りで、話もわかり易く、途中途中に自分で絵や文章を書けるスペースが設けられています。 AP…

本日読了[289冊目]加門七海『「怖い」が、好き!』☆☆☆☆☆

一番気に入ったことば「「わからない」とわかること。」 著者は人が恐怖を感じるときを4つ上げています。・「ある」ものがなくなる怖さ。 ・「ある」ものが知らないものに変わってしまう怖さ。 ・「ない」ものがある怖さ。 ・わからない怖さ。そしてお化け(…

本日読了[288冊目]沼田曜一『日本の妖怪ばなし(沼田曜一の親子劇場)』☆☆☆☆☆

一番気に入ったことば「人間というのものは、思いがけないことをするもんじゃ」 この本は妖怪のでてくる全9編の昔話が載っています。 「さとり」「山姥」「雪女」「河童」など、妖怪の有名どころが出てきます。 上記の気にいった言葉は、「さとり」が出てく…

本日読了[287冊目]水木しげる『水木しげる 鬼太郎の天国と地獄』☆☆☆☆

一番気に入ったことば「八大地獄」 地獄にもいろいろありますなぁ 小さいころ、ばあちゃんに「嘘をつくと閻魔さまに舌を抜かれるぞ」と言われたもんですが、妄信や教育のための嘘は大丈夫なのだろうか。人を悲しませないようにつく嘘はどうなんだろう。 最近…

本日読了[286冊目]中尾明『ぼくのフライドチキンはおいしいよ』☆☆☆

一番気に入ったことば「六五歳の挑戦」 この本は児童図書コーナーの伝記のところにあったのを見つけました。 世界一有名なアメリカ人(?)カーネル・サンダースの生涯が簡略化され、解り易く記述されています。 仕事に対して誠実な姿や、正義感が強く他者と…

本日読了[285冊目]岡田尊司『子どもの「心の病」を知る 児童期・青年期とどう向き合うか』☆☆☆☆☆

一番気に入ったことば「選択性緘黙」 僕が今持っている生徒さんに、選択制緘黙と疑われる子がいます。 家族や友人とは元気に喋るのに、特定の人物とは全くと言っていいほど口を利かない。 加えて自分のやり方にかなりの拘りをもち、僕のやってほしいこと(学…

本日読了[284冊目]日垣隆『世間のウソ』☆

一番気に入ったことば「世間のウソ」 タイトルと目次のテーマに惹かれ読んでみました。 しかし残念ながら知見を広げるだけの情報は少なかったです。 扱っている個々のテーマは面白いものだと思います。しかし全体的に主張後の証拠となるデータや考察に乏しい…

本日読了[283冊目]高橋晃『キーワード心理学シリーズ5 発達』☆☆☆☆

一番気に入ったことば「自己中心性」 発達心理学というジャンルは、乳児、児童、青年、老年と幅広く扱うため、まとまりに欠けるように思います。 個人的には「認知の発達」や「言語の発達」といったように、各ジャンルの副次的な扱いの方がしっくりくるよう…

本日読了[282冊目]ユクスキュル・クリサート/日高敏隆・羽田節子訳『生物から見た世界』☆☆☆

一番気に入ったことば「環世界」 実験心理学でも、とりわけ知覚心理学は生理学に近いと思われますが、それらは機械論的人間観に陥り易いと思います。 最近だと(脳科学者の全てがそうだとは言わないけれど)脳科学者が人を有機的機械として説明しています。 …

本日読了[281冊目]鈴木光太郎『動物は世界をどう見るか』☆☆☆

一番気に入ったことば「外へのはたらきかけのない、受身的なシミュレーションでは十分ではない」 この本は様々な動物の個性的な知覚の世界を探ることで、人間の生物としての特異性を明らかにするとともに、今私たちが認識している通常の世界、例えば当たり前…

お勉強会ものろーぐ

この3月から、心理系大学院進学希望者を募って自主ゼミを開いています。 内容は、心理の英語教科書を輪読するというものです。 ただ読むのと、訳して内容を伝えるというのはかなり違います。 英語がそれほど得意ではない僕はものすごく時間がかかってしまい…

昨日読了[280冊目]津川律子・安齋順子『インタビュー臨床心理士1』☆☆☆

一番気に入ったことば「相手が良くなることが大事。」 長年現場で働いてきた臨床心理士とはどのような人かという疑問から、この本を手に取ってみました。 臨床心理士制度発足が1988年、臨床心理士指定大学院が始まったのが1997年ですが、それ以前に心理臨床…

やっと春休みものろーぐ

二日間心理のPS(プロジェクト・スペース)に泊まりこんで、実験報告を作成してました。 ここ数日データをとって、分析して、報告書を書いてを繰り返し、昨日の17時(を少し過ぎましたが)に提出し終えました。 考察、推敲が不十分なまま提出したので不満…