たいやきさんは本を読む

臨床心理士・公認心理師の読書ブログ

2013-09-01から1ヶ月間の記事一覧

本日読了[361冊目]ツルゲーネフ・神西清訳『はつ恋』☆☆☆☆

一番気に入ったことば「女の愛を恐れよ。かの幸を、かの毒を恐れよ」 恋は盲目といいますが、逆に相手の気持ちを疑ったり、自分の気持ちに正直になれなかったりすることもあります。 主人公のヴラジーミルは、別荘の離れに越して来たジナイーダに恋をします…

本日読了[360冊目]岡野憲一郎『心理療法/カウンセリング30の心得』☆☆☆☆

一番気に入ったことば「自分が「正しい」と思われる治療法を来談者に一方的に押し付ける結果になるとしたら、実に皮肉な話である。」 著者は精神分析的心理療法を行う精神科医です。 しかし、精神分析の「お作法」を、ただ決まりごととして守る心理療法のや…

本日読了[359冊目]団士郎・柴田長生・川崎不二彦・早樫一男・川畑隆『シリーズ家族の居心地 登校拒否と家族療法』☆☆☆☆

一番気に入ったことば「IP(Identified Patient)」 目下一番興味があるのは家族療法です。 家族療法の理論には、いくつかあります。 基礎とする理論が精神分析でも、行動療法でも、 心理療法の対象を悩みをもつ個人から家族の相互の関係性に当てるものは家族…

本日読了[358冊目]斎藤環『母は娘の人生を支配する なぜ「母殺し」は難しいのか』☆☆

一番気に入ったことば「血縁は無条件に母性を保証してはくれません」 精神分析的、文学的母娘関係の解釈です。 個人的には異論こもごもですが、著者は敢えて他の理論を包括的に語ることをせず、ラカン派の精神分析からの解釈を徹底しているようです。 著者の…

本日読了[357冊目]逢沢明『論理力が身につく 大人のクイズ』☆☆☆☆☆

一番気に入ったことば「不可能を可能にするには、発想の転換が定跡」 はっきり言って論理力は身に付きませんwww 論理的思考よりも、ある程度問題に対する知識を知っているかどうか あるいは因果的な論理的思考に陥らないような、発想の転換が必要な問題が多…

本日読了[356冊目]奥村太一『教育実践データの統計分析』☆☆☆

一番気に入ったことば「検定力」 この本は大学院での統計学の教科書として用いられたものです。 t検定、分散分析、相関係数、回帰分析、パス解析、共分散分析、因子分析、信頼性と妥当性などが学べます。 数学記号を殆ど用いず、平易な文章で説明しているの…

本日読了[355冊目]小島寛之『文系のための数学教室』☆☆☆☆

一番気に入ったことば「「学校で数学の成績がいい」ということは、創造性や積極性や独立心とは正反対の性向」 学校における数学の成績と、企業における「順応性」とは高い相関があるという研究があります。 僕は数学が苦手ですが、数学にも面白い部分がある…

本日読了[354冊目]野村美月『文学少女と繋がれた愚者』☆☆☆☆☆

一番気に入ったことば「いつか壊れるかもしれない関係なんて、最初からないほうがいい」 三作目を読んでみて 改めて面白い作品だなぁと思いました。 ミステリー小説のような謎解き、文学小説へのオマージュ、ラノベ的なキャラ設定とコメディ。 (少年少女が読…