たいやきさんは本を読む

臨床心理士・公認心理師の読書ブログ

2021-01-01から1年間の記事一覧

525冊目、向井蘭『管理職のためのハラスメント予防&対応ブック』☆☆☆☆☆

一番気に入ったことば「「注意人物」「要注意人物」は「自分には関係ない」と思っています。」 社にてパワハラ・いじめを行う管理職がいるので、その対策として学びました。 パワハラ・いじめを行う加害者は無自覚などころか、自分では良かれと思ってやって…

524冊目、中野信子『シャーデンフロイデ 他人を引きずり下ろす快感』☆☆☆☆☆

一番気に入ったことば「「愛」や「正義」が、麻薬のように働いて、人々の心を蕩かし、人々の理性を適度に麻痺させ、幸せな気持ちのまま誰かを攻撃できるようにしてしまう」 最近職場でパワハラ、またはモラハラと思われる言葉による精神攻撃を多々受けていま…

523冊目奥田健次(編)『教師と学校が変わる学校コンサルテーション』☆☆☆

一番気に入ったことば「コンサルテーションの魅力は(中略)大多数のクライアントに間接的な支援をもたらすことにある」 薄い本ですが、学校に関わるコンサルタントとコンサルティの為の本です。 私自身学校と連携を図りながら子どもの支援を行っていますが、…

映画備忘録

ここ数か月積極的に映画・ビデオ作品を視るようにしています。 8月~10月 ・39 刑法第三十九条 「心神喪失者の行為は、罰しない。心神耗弱者の行為は、その刑を減軽する」最初見どころわからなかったですが、中盤以降に面白くなります。破天荒な心理鑑定は見…

(522冊目)矢野香『オンラインでの伝え方ココが違います!』☆☆☆

一番気に入ったことば「なぜオンラインは疲れるのか」 私は社の専門職による会議にて司会を務めているので、毎月の会議の後はもう帰りたくなる程疲れてしまいます。 コロナ禍でオンラインでの会議が続き、普通の会議と異なる疲れがあるなと思っていたところ…

(521冊目)ヤン・フルセッヘ、アド・フェアフール (著), 姉崎弘 (監, 訳)『重度知的障がい者のここちよい時間と空間を創るスヌーズレンの世界』☆☆☆☆

一番気に入ったことば「スヌーズレン」 放デイ事業所にてスヌーズレンを導入するために購入しました。スヌーズレン施設を作るわけではなく、ミニスヌーズレンを提供するためのスヌーズレン部屋を構成するための基本的な考え(スヌーズレンの哲学)や実践に必要…

映画備忘録

ここ数か月積極的に映画・ビデオ作品を視るようにしています。 5月~7月 ・スタンドバイミー 金ローで視ようと思ったけど間に合わなかったのでアマプラで視た。名作と言われる だけあって、視始めると目が離せなくなった。 ・幻夢戦記レダ アマプラでお勧め…

(520冊目)島宗理『使える行動分析学ー自分実験のすすめ』☆☆☆☆

一番気に入ったことば「行動変容の核心点」 行動変容の核心点は人や状況によって異なるので、私が現場で問題行動に介入する際にも当然重要視します。 先日行動分析学道場に参加し、行動のデータをとることの重要さを学んできました。島宗先生監修の元、参加…

(519冊目)奥田健次『子育てプリンシパル』☆☆☆

一番気に入ったことば「「手がかからない子」なんていない」 「奥田先生の考える」子育ての原理原則を学ぶことができます。 奥田先生の他の本の副読本として、技法や支援内容の基盤になる考え方を学ぶことができます。 ABAの理論に則り話している部分と、こ…

(518冊目)奥田健次・小林重雄『自閉症児のための明るい療育相談』☆☆☆☆☆

一番気に入ったことば「中学生になってケアするということは専門家にとってもとても大変なことです」 上記は小林先生のことばです。勿論中学生以上の児童でも問題行動の変容は可能ですが、行動分析では「目の前の問題行動は過去の学習によるもの」と考えるた…

(517冊目)奥田健次『拝啓、アスペルガー先生 私の支援記録より』☆☆☆☆

一番気に入ったことば「真面目に子どもの言動に対応すればするほど、知らず知らずのうちに子どものペースに振り回されているのです」 奥田先生のABA技法勉強中! 非常に有用な技法が満載です! ただし、奥田健次先生の著書に記された技法の殆どは、素人やABA…

(516冊目)羽生善治『人工知能の核心』☆☆☆☆

一番気に入ったことば「ロボットが得る「報酬」」 比較心理学という心理学の分野があります。 ヒトとそれ以外の動物を比較することで、ヒトとそれ以外の動物の心理の異同を見出そうとする学問です。 人工知能の研究は、今後ヒトの知能や行動、感情のメカニズ…

(515冊目)土井健郎『新訂 方法としての面接 臨床家のために』☆☆☆

一番気に入ったことば「関与しながらの観察」 関与しながらの観察とは、面接(interview)の中で、面接者が被面接者を観察するのと同時に、被面接者も面接者を観察しているのだという視点を表す言葉です。 inter+viewは相互の視点という意味なので、日本語の面…

(514冊目)池田由紀江(監)『ダウン症のすべてがわかる本』☆☆☆

一番気に入ったことば「「こうしてみなさい」よりも「こうしてみたら」」 「命令より提案を」 この本はダウン症の子をもつ(あるいはその予定の)保護者の方向けです。 ダウン症の基礎知識、療育、家庭での関わり方や外部サポート等総合的な理解ができます。 …

(513冊目)杉原保史『プロカウンセラーの共感の技術』☆☆☆☆☆

一番気に入ったことば「「受容」「共感」「変化促進」、この三つは、相互に手に手を取り合ってらせん状に深まっていくものです」 この本は一般向けのものですが、カウンセリングの専門家に必読と言っていいほど共感の技術が沢山詰め込まれています。 私自身…

(512冊目)熊倉伸宏『面接法』☆☆☆☆☆

一番気に入ったことば「面接法の基礎を学ぶことは、「人間」を学ぶことである。」 他にも気に入ったことばが盛りだくさん(以下引用文) 面接者は専門家であり、自分一人では専門家になれない。(p.5) 自分には人を助ける力があると過信して、自信たっぷり、面…

(511冊目)東山紘久『マンガで読み解くプロカウンセラーの聞く技術』☆☆☆

一番気に入ったことば「子供は苦くつらい経験から学ぶものです 親がとがめたり口出ししたり教えたりすることは子供の成長にとって大きなさまたげとなります」 以前読んだ原著の漫画版が出ていたので改めて読んでみました。 原著よりさらに一般の方にわかりや…

(510冊目)草薙敦子『ドキュメント発達障害と少年犯罪』☆☆☆

一番気に入ったことば「「広汎性発達障害」は事件の「特殊性」を説明するものであって、「発生原因」そのものではない」 筆者も強調していますが、発達障害そのものが非行・犯罪の原因とはならないことはこれまでのブログ記事でも記述しました。 発達障害が…

(509冊目)宮口幸治『ケーキの切れない非行少年たち』☆☆☆☆

一番気に入ったことば「遂行機能障害症候群」 最近は発達障害と非行・犯罪に関する本をいくつか読んでいます。 というのは、まさに将来の非行・犯罪が懸念されるような児童の支援に携わっているからです。 一応誤解の無いように言いたいのですが、発達障害そ…