(ここから6月読了分)[118冊目]伏木亨『人間は脳で食べている』☆☆☆☆☆

一番気に入ったことば「食品には安全とともに安心が必要」


人間は情報を食べている。


検尿コップでビールを飲んだり、実験用ビーカーでお茶を飲むのには抵抗があるだろう。


ふわふわたまごのオムライス、もちもち食感のクリームパン。よくコンビニなんかで見られるキャッチフレーズ。一言付け加えるだけで美味しそうに感じる。


清潔であることと清潔感のずれや、販売元への信頼やイメージ。「美味しい」は口の中だけで味わっているのではない。


著者はおいしさの要素を4つに分類している。


①生理的な欲求に合致するもの。
②生まれ育った国や地域あるいは民族などの食文化に合致するもの。
③脳の報酬系を刺激するものはやみつきになる。
④情報がおいしさをリードする。


明快さに納得。


わかりやすい分類と説明。そして疑問質問や意見を他者との対話形式で著述する軽妙さ。楽しく読めた。


同じく著者の『味覚と嗜好のサイエンス』はこの本と同じ内容が多々あるものの、やや科学的な用語や実験の詳細なんかも載っていた。こちらは気軽に読めて良い。


部分的には少しずれた推測も見受けられるものの、大筋新書としての面白さであるちょっとだけ知的で学問に触れた気がする心地よさ(僕の勝手な定義です)を感じた。


人間は脳で食べている (ちくま新書)

人間は脳で食べている (ちくま新書)