本日読了[298 冊目]開一夫『赤ちゃんの不思議』☆☆☆☆

一番気に入ったことば「「わたし」はいつから「私」なのか」



この本では、赤ちゃんの認知能力研究の比較的新しい知見が載っています。


僕の大学には赤ちゃん研究をやっている先生が数人いるので、内容的には殆ど授業で聴いた既知のものでした。


師匠も乳幼児知覚発達心理学が専門です。


僕の卒論の方向性が決まったので、自己と他者の認識について記述された3、4章の引用部分を特に利用させてもらいました。


著者の行った実験で、赤ちゃんの「ライブ映像」と「遅延映像」を見せると、6,7カ月児ではその違いがわかるという結果が得られています。


自分の身体と他者の身体の区別はこの辺りからはじまるのかなと思いました。


しかし身体の制御感から、つまり自分の意志で自分の身体が動かせているということを知っているだけでは自己を認知しているとはいえません。


「私は私」から「私であることを私は知っている」へと変化するのはいつごろなのでしょうか。


いくつかの先行研究では、ごっこ遊びをし始める18カ月児前後、あるいは、心の理論の獲得である4歳児以降という知見もあります。


何をもって自己とみなすかによって、自己認識の獲得についてはそれぞれの研究で意見が異なるようです。



赤ちゃんの不思議 (岩波新書)

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