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臨床心理士・公認心理師の読書ブログ

今日の心理学用語8「夢」

夢(dream)



「心理学的には、睡眠中に認められる心理的現象で、非論理的でまとまりのないイメージの連続のことを指す。

生理学的研究では通常睡眠時90分間隔で生じるとされ、睡眠の一段階であるREM睡眠(Rapid Eye Movement sleep)時に主に生じているとされる。

子どもは大人より睡眠時におけるREM睡眠の割合が多く、乳児の場合睡眠時間の半分近くがREM睡眠であるという。

夢は積極的な意味をもつ心理的現象であるとして研究したS.フロイトは夢は無意識の現れで抑圧された精神が圧縮や加工、置き換えといった夢の仕事といわれる独自の課程を経て意識されたものであると考えた。つまり、夢は無意識が意識化したものであるとし、夢を解釈することによって抑圧された欲望や感情を分析できるとした。

さらにこの考えを受けてユングは、夢により目的論的解釈を施し、単に個人の過去経験から得られる記憶の産物とするのではなく、将来をも示すことのできる生得的な記憶である集合的無意識とみなした。」




夢は最近では積極的に研究対象とされることはないようですが、フロイトの『夢判断』が今でも取り上げられるように(それは嘘心理学に多いのですが…)神秘的な魅力があるように思います。


寝ているときに見る表象としての意味と、将来の自己実現願望としての意味の両方で使われるのはなんでだろう…


夢の意味を解釈する『夢事典』もあるようですが、占いのようなものらしいです。


最近の説では、夢は脳の神経回路を形成するのに役立っており、赤ちゃんの頃に覚醒時に記憶した有意味な記憶の回路をより重視し、生活に必要な神経回路を形成していくという説があり、成熟してからみる夢はその名残であり無意味であるというものがあります。


夢は記憶の整理をしているという俗説もありますが、個人的には、夢は大人にとっては無意味説に一票。


って夢のない話ですかね(^_^;)