一番気に入ったことば「サブリミナル・パーセプション」
僕が現在最も興味のある心理学実験は、視覚刺激を用いた閾下での視覚情報の処理についてです。
人は多くの身体活動を無意識的に行っています。見たものも、無意識に記憶されていたり、後の行動に影響したりしています。
無意識の身体行動や、心の動きに注目すると、人の意識的な状態はほんの一部でしかないように思えてきます。
この本には心理学系の講義で知った多数の実験や症例が載っていました。しかしまだ僕の知らないことは沢山ありました。
手がまるで他人のもののように動く「他人の手徴候」、見た物あるいは触った物を身体が勝手に使ってしまうという「ユーティリゼーション・ビヘィビア」など。興味深い話もあり、知識の補強ができました。
この本に掲載されている症例の多くは、脳機能の障害として報告されています。
意識・無意識の研究論文を検索すると、脳神経科学の分野での研究が目立ちます。
心理学では何ができるのか。
この本では視野闘争という実験パラダイムが、知覚の無意識的処理を探る有効な手段となる可能性があると述べています。
僕の扱っている実験パラダイムは別ですが、友人が視野闘争を用いて実験をしています。
彼は研究者を目指しているそうなので、是非無意識的視覚処理の研究のエキスパートになってもらいたいと思います(^^)
- 作者: 本田仁視
- 出版社/メーカー: 福村出版
- 発売日: 2000/09
- メディア: 単行本
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