一番気に入ったことば「住み悪いとのみ観じた世界に忽ち暖かな風が吹いた。」
漱石の短編集。
上の言葉は本書所収の「思い出す事など」から。話に感化されて自分も寂しい、虚しい人生の終わりのような気分になってしまった。「思い出す事など」は病床の漱石の日記のような作品。
言葉が古くて少し読みにくいけど、味わいのある短編が豊富に載ってます。「文鳥」もよいです。恋する気持ちはあっても直情的になれない、どこか冷めている、そのうち慣れてくる。でも愛おしく思う。気になって仕方がない。そんな自分の過去の恋の気持ちを思い出しました。
頭で考え気持ちにフィードバックしてくる小説はすごく良いと思うのです。
- 作者: 夏目漱石
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2002/09
- メディア: 文庫
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