一番気に入ったことば「人々は、なんらかの方法で、心を実体化、あるいは可視化したいと願っている。」
人は心を実体化して操作したいと願う。
心の操作は万能感に繋がり、心のマーケットをうむ。
心は未だ不明な部分も多く、心理学という学問も発展途上だ。
心理学ブームや脳ブームは間違ったものを事実として残してしまうおそれがある。
哲学から波状した心理学は、その位置を科学的なものにしようとしている。
学問としての心理学と、実用的な心理学への二極化がおこなわれている。
この本の著者はサブカルチャーを主軸に話しつつも、様々な分野の豊富な知識を持つ。
ゆえにある極端に向かわず、誰もが納得しやすい論を提示してくる。
「癒し」「トラウマ」「カウンセリング」「ネオテニー」「ADHD」「PTSD」「心の市場」
このような言葉にピンとくる人は楽しく読めるだろう。
- 作者: 斎藤環
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2009/01/26
- メディア: 文庫
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