[128冊目]鈴木光太郎『オオカミ少女はいなかった 心理学の神話をめぐる冒険』☆☆☆

一番気に入ったことば「父なる哲学と母なる生理学」



心理学が科学であるという認識を持ちえないのは、心というブラックボックスを間接的にしか知りえないとしているが、そんなことをいったら天文学もそうじゃないのかなぁ。何を土台としているかによるのでは。


心理学は生理学を基礎として研究を進めれば科学としての信頼性が高まる。哲学よりに思考を進めれば一気に解釈の問題になってしまう。


また、著者が述べるように、学名に「心」と入っていることも問題だ。心という概念は広すぎる。これはもうどうしようもないけど。



この本のスタンスは、心理学の学問的事実として世に蔓延る胡散臭いものに疑いの目を向けることである。


サブリミナル効果やソークの心音説は一般的にはまだ信じている人が多いと思う。


心理学の研究の中でもよく知られたものを題材としていて、解り易く説明もされているし読みやすい。また、批判的なスタンスで物事にあたるのは真実を求める上で必要不可欠だと思います。


しかし、括弧書きが多く(のりつっこみをしているような)読んでいてはぐらかされているように感じるせいかどうも読後感がすっきりしないのが難点です。


オオカミ少女はいなかった 心理学の神話をめぐる冒険

オオカミ少女はいなかった 心理学の神話をめぐる冒険