昨日読了[277冊目]渡辺茂『認知の起源をさぐる』☆☆☆☆☆

一番気に入ったことば「わたしたちは他人のこころを「完全に知ること」はできない。」



心理学をやってると言うと、心が透けて見えるような印象を持たれることがたまにありますが、むしろ学問的な偏向バイアスがかかって、より分かりにくくなっているようにも思えます。


「あたりまえ」に思ってることの多くが、実際は正解なのです。学問はその当たり前のかなり狭小な範囲を攻めるに過ぎません。


この本はハトの研究で有名(?)な渡辺先生の著書です。


ハト以外にも動物の心理学実験を多数載せているので比較心理学に興味のある人にはオススメです。


僕は進化論的に動物と人間を対応させるのは面白いとは思うのですが、どうしても類推の域を越えられないように思います。


「人」の初期知覚や認知の原理を知るためには、同じ「人」である赤ちゃん研究の方が望ましいように思えます。


しかし、実験の可能範囲という意味で、それらには一長一短があるのです。


同じ心理学の中でも、分野ごとの知識が相互に行き交うことで、心の研究の発展が望まれます。



認知の起源をさぐる (岩波科学ライブラリー)

認知の起源をさぐる (岩波科学ライブラリー)