一番気に入ったことば「現象学では、日常性という概念を重視している。」
現象学の入門書かと思って読み始めたらとても難解な本でした。
フッサールはもちろん、カントやヘーゲル、ハイデガーやメルロ=ポンティなどをしっかり勉強しておくとここで使われている用語が苦にならないかもしれません。
僕はかろうじて「現象学とは何か」の基礎がわかった程度で、この本で行っているようなフッサール研究の域までは理解が進みませんでした。
フッサールでレポートや論文を書く人なら必読の書ですが、今の僕が哲学に求めている方向性と異なる分野の本だったように思います。
心理学もそうですが、現実の事象をあまりに詳細に考察する専門的な知識は、現実対応させるのが困難で、その分野だけに必要とされる閉鎖的な知識になりかねません。
基礎は大切だけれど、閉鎖的な「議論のための議論」にならないように意識しながら学問を学びたいと思います。
現象学とは何か フッサールの後期思想を中心として (講談社学術文庫)
- 作者: 新田義弘
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1992/07/06
- メディア: 文庫
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