たいやきさんは本を読む

臨床心理士・公認心理師の読書ブログ

527冊目、片田珠美『他人を攻撃せずにはいられない人』☆☆☆☆

一番気に入ったことば「支配こそが究極の目的」

 

攻撃欲の強い人は職場でパワハラを行ったり、家庭でモラハラを行ったりする。以下引用。

 

攻撃欲のある人は、攻撃していることを周囲に気づかれないように隠蔽する達人であることが多い。

しばらく一緒にいると、何となく疲れて、重苦しい気分になる。何でもけなして無価値化する傾向が強いので、徒労感や空虚感を覚えることさえある。

彼らは相手に罪悪感を抱かせる達人である(中略)ターゲットに、その責任は自分にあり、悪いのは自分だというふうに巧妙に思い込ませる。

他の誰かが失敗すれば、他人の能力も努力も決して認めようとしない自分の姿勢を正当化することができる(以下略)

自分が常に正しくて、いつも間違っているのは他人と思い込んでいるので、考え方を変えさせるのも至難の業である。この点を忘れて、こういう人のやり方を変えさせようとしても、骨折り損のくたびれもうけで、ただ疲れ果てるだけである。

相手が拒否しないような何かを与える。次に、要求をほのめかす。

からかいやあざけり、毒を含んだユーモアや皮肉によって笑いものにしたり、陰で誹謗、中傷したりする。もっと露骨になると、面と向かって軽蔑や侮辱の言葉を履いたり、何でもけなしたりする。あるいは、話を聞かないとか、関心のないふうを装うといったやり方で相手の存在を一切無視することによって、存在価値を決して認めようとしない場合もある。

強い自己愛ゆえに、自分は心優しい善人だと思い込んでいるので、無自覚のまま相手を傷つけたり壊したりする。

 

あなたは上記のような人からハラスメントをうけたことはないでしょうか。

 

著者は精神分析を基盤としている精神科医で、攻撃欲の強い人から受けた強い負のストレスによる訴えを聞き、それを原因とした精神疾患の治療を行っているようです。

 

ハラスメント関連の学びを深める為に読みました。