たいやきさんは本を読む

臨床心理士・公認心理師の読書ブログ

昨日読了「437冊目」草間吉夫『ひとりぼっちの私が市長になった!』☆☆☆☆

一番気に入ったことば「世間では、施設育ちは苦労している辛抱強いと思われているかもしれない。しかし完全管理のなかで規則に順応することを強いられてずっと過ごしてきているため、施設育ちはとくに自立心に乏しく、精神的にも弱いところがある。」



児童養護施設の職員や、児童養護施設で生活している子どもたちに是非読んで欲しい一冊です。


文章も平易で解りやすく中学生以降ならすらすら読めます。


ちらちらと垣間見える施設の実情がとてもリアルに感じられます。


また、運、縁、能力もあると思いますが、著者の人並ならぬ努力によって市長にまで成った人生には勇気を貰えるように思います。


大学進学以後の話では過去の時代ゆえの不憫さも少し感じますが、施設の現状の話については現在もほぼ変わらないと思いました。




職場の施設長に勧められた本ですが、なかなか良い本に出会いました。


ひとりぼっちの私が市長になった!

ひとりぼっちの私が市長になった!