[449冊目]中脇初枝『きみはいい子』☆☆☆☆

一番気に言ったことば「ぼくがわるい子だから、うちにはサンタさん来ないんだ。」



気に入ったことばと言うより、こころに刺さったことばというべきか。
僕も、小学2年生からは、サンタさんがこない(クリスマスを親に否定される)という経験をしました。


5編の連作短編集。映画の方を先に知り視聴した後に読みました。


映画の方は本作中の3編を題材に作成されたようですが、
いくつものテーマを断片的に盛り込んでおり、消化不良な感じでした。


小説の方は、1編ずつ学校場面、母子家庭(父は単身赴任だが)など、場面を明確に設定しており
1つの話の中で物語がきちんと完結しています。


虐待という、時に残酷で陰惨な事件として、時に一般家庭のしつけとしてグレーゾーンな側面がみられるテーマを扱っています。


陰鬱なテーマを扱いながら、そこに人間らしい優しさを取り入れ、
読了後には一つの光を見出せるような作風です。


虐待に関する物語を読みたい人にお勧めです。


([な]9-1)きみはいい子 (ポプラ文庫)

([な]9-1)きみはいい子 (ポプラ文庫)