一番気に言ったことば「ぼくがわるい子だから、うちにはサンタさん来ないんだ。」
気に入ったことばと言うより、こころに刺さったことばというべきか。
僕も、小学2年生からは、サンタさんがこない(クリスマスを親に否定される)という経験をしました。
5編の連作短編集。映画の方を先に知り視聴した後に読みました。
映画の方は本作中の3編を題材に作成されたようですが、
いくつものテーマを断片的に盛り込んでおり、消化不良な感じでした。
小説の方は、1編ずつ学校場面、母子家庭(父は単身赴任だが)など、場面を明確に設定しており
1つの話の中で物語がきちんと完結しています。
虐待という、時に残酷で陰惨な事件として、時に一般家庭のしつけとしてグレーゾーンな側面がみられるテーマを扱っています。
陰鬱なテーマを扱いながら、そこに人間らしい優しさを取り入れ、
読了後には一つの光を見出せるような作風です。
虐待に関する物語を読みたい人にお勧めです。
- 作者: 中脇初枝
- 出版社/メーカー: ポプラ社
- 発売日: 2014/04/04
- メディア: 文庫
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