昨日読了[260冊目]リディア・アリックス・フィリンガム/栗原仁、慎改康之編訳『フーコー』☆☆☆☆☆

一番気に入ったことば「規律と処罰」



一昨日、本学で催された哲学セミナーに参加しました。


題目は「規律的統治から新自由主義的統治へ −後期フーコーと権力の諸問題」ということで、高校教科書程度の知識しかない僕は、フーコーの基礎的知識を獲得する目的で本書に目を通しました。


講師は筑波大学の佐藤嘉幸先生でした。


基本的には佐藤先生の著書である『新自由主義と権力―フーコーから現在性の哲学へ』を元に構成されていて、題目の通り、一昔前に見られた規律的統治から見出される個々人の自己統治というあり方は、福祉国家に依拠するかたちで成立していたのだが、国家の経済状況の悪化と共に公的福祉が民間へと委譲され、統治のあり方が全体的な規律的統治から(グローバル化という名のアメリカナイズされた)資本主義的な新自由主義的統治へと移っていった。そのような現代社会の中で私たちは競争原理と経済至上主義という新しい権力に支配され、それは既に個々人に内面化されている。というようなお話でした。



フーコーは「狂気」、「権力」、「性」などについての様々な著作があるので、とりあえずフーコーの全体像を把握するにはこのような入門書は必読かと。


この本はもちろん概要を知るに過ぎないのですが、用語解説に加え、簡単な年譜や丁寧な読書案内があるので入門書として十分に利用できます。


素晴らしくユーモラスなイラストがふんだんに載っていて、目で楽しむこともできる本です。



フーコー (ちくま学芸文庫)

フーコー (ちくま学芸文庫)

新自由主義と権力―フーコーから現在性の哲学へ

新自由主義と権力―フーコーから現在性の哲学へ