いちばん気に入ったことば「君は、本当は、いい子なんだよ」
上記の言葉は、小林先生がトットちゃんに何度も伝えた言葉です。
私なら、「君は、本当は、いい子」という言い方をしない。と思いました。なぜなら、現実には「いい子ではない」と、その子につきつけることになるからです。
けれど作者は、その言葉は「いい子じゃないと、君は、人に思われているところが、いろいろあるけど、君の本当の性格は、悪くなくて、いいところがあって、校長先生には、それが、よくわかっているんだよ」(p.247)と考察しています。
私は、その考察を見て、あぁ、ちゃんと現実も含めて伝えることが大事だったんだなぁ、と思いました。
巴学園の小林宗作先生は先駆的で非常に子どもの教育に熱心だと思いました。
まだ療育という言葉ができて間もない時代です。障害のある子へ特別な教育を提供できる人は非常にまれだったと思います。