一番気に入ったことば「自分が自分であるために」
TEACCHは、Treatment and Education of Autistic and related Communication handicapped CHildrenの略語です。日本語に訳すと、自閉症とそれに関連するコミュニケーション障害をもつ子どもの療育です。
この本ではTEACCHの理念・哲学から基本、アメリカのTEACCHセンター他での療育を学べます。
療育に携わる者なら一度は聞いたことがあるTEACCHですが、恥ずかしながら概要しか知らなかったため中身をしっかり学ぶために読んでみました。
また、この本で学んだ歴史ある療育モデルを発展途上である私の会社でも取り入れていくために、理想的な療育のためのプログラムや構造化、道具、人員といった力を入れるべきとこを上司に理解してもらうための資料作りにも役立てました。
THACCHは療育の現場だけでなく、教育・福祉の現場でも取り入れている所があるので、THACCHの中身を知らないけれど、スケジュールをパネルシートで提示したり、教室に個別の学習スペースを複数用意するなど、現場の視覚的・物理的構造化に役立てている所もあります。
どの程度構造化するかは各施設に任されるところですが、なぜ視覚支援が必要なのか、どのように構造化するのかといったTHACCHの基本は押さえておきたいものです。
なぜなら、TEACCHはあくまで自閉症(自閉スペクトラム症)を対象として発展してきた療育方法なので、ADHDやLDの支援方法としては合わない部分もあるからです。
改めて全体像を学んで、応用行動分析、行動療法の考え方も取り入れられているなと思いました。
私の依拠する療育技法は応用行動分析(ABA)ですが、THACCHも学ぶことで各々の事業所や子どもの特性に合わせたよりよい支援を行っていきたいと思っています。