本日読了[399冊目]岡田尊司「母という病」☆☆☆☆

一番気に入ったことばオキシトシン


母親の、あるいは養育者の養育態度が子どもの成長に大きく影響することは確かだ。


ただ、この本では母親の養育態度が子どもの精神疾患の根源のように捉えられてしまう危険がある。


もちろん見逃されがちな、心的虐待や過保護、過干渉といった養育態度によって、ある種の精神疾患のリスクが上がることは証明されている。


しかし、あくまでリスクが上昇するのであって、不適切な養育態度と不健康な子どもはイコールで結ばれるわけではない。


著者のような精神科医や心理臨床家は、日常的に偏った人びとと出会う確率が多くなるため、この本に書いてあることも事例の一部と捉える事ができると思うが、一般の人はどうだろう。


現在子育て中の母親の不安を助長しないだろうか。あるいは現在精神疾患や自身のパーソナリティに不満をもっている人は、それを母親(だけ)のせいにしてしまわないだろうか。


何らかの事情で適切な親子関係が結べなかった人でも社会生活をうまくやっていける可能性は大いにあるし(僕が証拠と言いたい)、子育ての中で、イライラすることや怒ってしまうこともあると思うのですが、そんなこと気にしてたら子どもは育てられませんよ。(毎日イライラしてたり怒ってるなら専門家に相談しましょう)


それに日常生活に支障がでるような障害は別として、親に恵まれなかったり、障害を持っていたりしても、なんとか頑張ってやれてる人や、特定の分野で成功している人は沢山いると思います。


ところで、その手の論文をあまり読んでないので詳しいことはわからないが、乳幼児期の愛着(アタッチメント)形成とオキシトシンの研究が進んでいるようで、この本でもオキシトシンについて言及されていて、興味深かったです。