本日読了[337冊目]我孫子武丸『弥勒の掌』☆☆☆☆

一番気に入ったことば「これまで経験したどんなセックスよりも甘美で、どんなスポーツよりも爽快で、そしてどんな芸術よりも心震える体験だった。」


妻が失踪した教師と、妻を殺された刑事が真相を追って、宗教団体「救いの御手」を探っていきます。


少しずつ捜査は進んでいくように見えるけれど…最後にたたみかけるような展開が待っています。


最後はミスリードされた伏線が集約する系ではなく、叙述に隠された真実にしてやられた感を覚える、って感じかな。


このミステリーの醍醐味は、犯人探しではなく、作者が何を隠しているのかを推理するところだと思います。


ヒントは氏名ですね。


また、現実社会の中で、信じるものの危うさを感じさせてもくれます。


安心、安全、教育、国家権力、愛情など、宗教と同じように他者から信じさせられているだけかもしれません。



弥勒の掌 (文春文庫)

弥勒の掌 (文春文庫)