一番気に入ったことば「哲学的な問いを棚上げした学問など―もっと強く言えば人生など―むなしい。」
この本は4分の1くらいが二人の対談で、残りは各人ごとの論を記した本です。
小泉義之は対談でも持論のなかでもどうも表面的なところでしか話をしていない印象。結局人を殺すのは悪いし、そう決まっている。ってことを言いたいんだろうけど、途中の話がめちゃくちゃで関係ない話や間違ったことも言っていて、正直混乱しているように思えた。
一方永井均は自身の専門であるニーチェによって論じたり、社会契約の思考実験によってきちんと考えさせてくれる話をしたりしているし、中学生のなぜ人を殺してはいけないのかという問いに対して、その問いに真摯に向き合うことによって意味を持つと説く。
永井均がこの本の中でいやらしいくらい自著を宣伝してるのは御愛嬌ということでw
僕自身はこの問いに「なぜ僕は人を殺してはいけないのか」と「なぜ人を殺してはいけないと決まっているのか」という二つの問いが混ぜこぜになっているから答えるのが難儀なんだろうと思いました。この問いに対しては主客分離して考えるべきです。
- 作者: 小泉義之,永井均
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2010/01/06
- メディア: 文庫
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