一番気に入ったことば「ユーストレス/ディストレス」
ストレスは心身の健康に関して悪者扱いされているように思いますが
実際はやる気を高めたり、自分の能力を発揮するために必要な場合もあります。
そのような良いストレスをユーストレス、病気を誘発してしまうような悪いストレスをディストレスといいます。
臨床心理士は、クライエントの問題を心の問題に還元しやすいのですが
バイオ・サイコ・ソーシャル・の視点を大切にし
クライエントの精神的な問題だけでなく、身体的、社会的な要因にもしっかりと目を向けていくことが肝要です。
そのために、特に心理的な問題と関連の強い身体的な病理について学ぶことが必要だと思います。
心が捉えにくいことや、セラピストの基本姿勢である自己開示をしないことにかこつけて(つまり自分を顧みないで
技術だけを求める人)
クライエントの援助に必要十分な学びを行っていないセラピストも中にはいます。
臨床心理士の資格も所詮単位をとるだけの真面目さと資格試験に合格するだけの知能があればいいだけですから…
ウチの大学院には、セラピストとして研修中の身とか、未熟なことを言い訳に、クライエントとの関わりを蔑ろにしている人が何人かいます。
僕はそういう人には怒りを覚えます。
この本のp.250に、
「身体の専門家である医師が非常に厳しいトレーニングを積んでいるのに、その強力なパートナーである心の専門家である臨床心理士が非常にラフでいいはずがありません(中略)病気になったときに、ちゃんとしたトレーニングを積んでいない医師に我が身を託す患者さんがいるでしょうか。」とありました。
あくまで理想ですが、臨床心理士には皆「心の専門家」としての自覚と必要な学びを怠らないでほしいと思います。
悩みを抱えたクライエントは、「心の専門家」としての臨床心理士を頼りにしているのです。
- 作者: 芦原睦
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