一番気に入ったことば「言語が見せる夢」
デイヴィッド・J. チャーマーズの『意識する心』を批判的に且つ辛辣な言葉で書かれた本です。
言葉の作りだす可能世界が現実世界となる思考過程を、言葉の本質が概念的で相対的であるがゆえに避けられないとする。
読んでいて苦しい本でした。
一般的に言葉はcommunicationの道具とされ、意思伝達をするためにある。
僕自身言葉は他者との意思疎通を高める力を持っていると思うし、自分の世界を広げる力を持っていると思っています。
しかし人は間違えることもあるし嘘をつくこともある、そこから誤解が生じることもある。
意識の独在性と、言葉の本質に着目しすぎると、この世界にあるのは自分独りと物自体でしかないような不安と寂しさに襲われるのです。
ここ数日このような不安が頭を擡げていてあまり生きている心地がしません。
このような時に何が必要なのかは知っているつもりなので、まぁそのうち回復するでしょう。
- 作者: 永井均
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2007/11/06
- メディア: 単行本
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