本日読了[273冊目]佐々木正宏・大貫敬一『カウンセラーの仕事の実際』☆☆☆☆

一番気に入ったことば「実は人間関係を苦手とする人が、カウンセラーの立場をとることで他者とかかわろうとしているのではないかと感じることがある。」



今にして思えば間違っていて恥ずかしい話ですが、大学入学前の僕は、心理学的知識の獲得というしるしの頂点が、大学院にまで行かなければ受験資格を得られない臨床心理士という資格を得ることだと思っていました。


また、臨床心理士となり、カウンセリング業に従事することは、僕の個人的、そして社会的な問題意識でもあるいじめや不登校、自殺などの解決に役立つとも考えていました。(まさに一石二鳥)


加えて心に対する哲学的な興味もあったので、学部生の間は哲学も学びつつ心の知的探求をし、臨床心理学は大学院に行ってから勉強しようと考えていました。(一石三鳥か?)


しかし、大学に入学し科学的心理学を享受していく中で、現在学んでいる基礎心理学と臨床心理学の間に大きな隔たりを感じるようになりました。


科学的見解を重視する実験心理学者には、臨床心理学分野の個別的事例研究に対して批判的な人もいます。


また、大学院に行くことで就職に不利になること、臨床心理士という資格が社会的にそれほど価値のないこと、などがあちらこちらから聞かれます。


就職活動に勤しむスーツ姿の学生を見ると、なるべく条件が良い所に無難に就職することを目指して就職活動するのが幸せなのでは?そんな考えが過ります。


なぜ敢えて辛い道へと進むのか。安寧としたモラトリアム期間を伸ばしたいだけなのか。本当は適度に働いて、余暇活動に人生の楽しみを感じることや、就職から恋愛、結婚、そして家族を築くといった普通の幸せを目指すことが正解なのではないだろうか。


興味のままに知的探求したり、自己研鑽のために勉強する時間は、もう残り少ないようです。


そろそろ腹を括らないといけない。



カウンセラーの仕事の実際

カウンセラーの仕事の実際