一番気に言ったことば「「特別な子への特別な支援」ではなく「すべての子どもたちへのさりげない個別配慮」」
僕は現在の職業上、障害を抱える子どもを持つ親と関わっています。前職では、虐待や精神疾患によって子どもを育てられなくなった親と関わりを持つこともありました。また、大学院時代には不登校や思春期の子どもをもつ親の心理面接を行なっていました。
僕の現在の専門は、障害を持つ子どもの療育を行なう臨床心理士です。
もちろん、その親との連携、保護者家族への相談業務も行なっております。
そんな中でこの本を手に取りました。
この本は教育や医療などに携わる様々な領域の著者による、オムニバス形式の著書になっています。
また、この本は、「発達障害支援・特別支援教育ナビ」というシリーズの一つでもあります。
感想は、残念ながら薄い本故に(?)内容も薄い作りになっています。はっきり言って専門家のナビにはなりません。
著者の現場の話だけで「親の気持ち」については一般的見解しか記述していない方や、
あくまで子ども中心の視点で記述され、親はメゾシステムとして理解し記述されている方がいて
正直「親の気持ちと向き合う」という題名に偽りありと思えるくらい、方向性に疑問を抱くつくりでした。
もちろん著者によってはしっかりと「発達障害の子を育てる親の気持ちと向き合う…ための対人支援」に
示唆を与える情報とことばを選択して執筆している方もいます。
全体的には、発達障害を持つ子の親を支援したいと思っている支援者向けというよりも
発達障害を支援している専門家はこんな知識があって、こんな苦労してるよと保護者に向けて訴えるための
一般向けの本だと思います。
発達障害の子を育てる親の気持ちと向き合う (ハンディシリーズ発達障害支援・特別支援教育ナビ)
- 作者: 中川信子,柘植雅義
- 出版社/メーカー: 金子書房
- 発売日: 2017/01/23
- メディア: 単行本
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