一番気に入ったことば「もしもダウン症だからという理由で愛せないとしたら、まずダウン症というものをよく理解する必要があります。」
ダウン症の子を持つ全ての保護者の方に読んでもらいたいくらい名著です。
ダウン症が1000人に1人の割合(1997年出版時)とか、95%は21番染色体の異常である21トリソミー型だが、他に転移染色体型があり、それは遺伝する可能性があるとか、遺伝学の基本的なところから、併発しやすい病気や体質について、言語・知能の発達に関する悩みや保育・教育に関する相談についても網羅的にQ&A方式で応えています。
医療・病気に関しては、私自身知らないことも多くあり非常に勉強になりました。
保育・教育分野についての回答は、行動分析の専門家の私からみても正しい方向性を示していると思いました。本文にはないですが著者は行動分析の知識も得ているように思えました。
また、著者の回答にはいくつも「この文言は私も使いたい」というようなお手本となるものもありました。
著者は専門である医学や発達段階の知識は勿論、行動分析や保護者の傾聴、倫理等の知識も万全なのではないでしょうか。
読後感は尊敬できる先生に出会った気分でした。