一番気に入ったことば「行動分析家」
文章量が多いし、情報も多い入門書です。あとがきで杉山先生も言及しているように、入門書ではない。私は行動分析の実用書と捉えました。杉山先生曰く、行動分析学の究極の思想が込められているとのことです。
故に私も読了するのに非常に時間を要しました。けれど読んでいる間はその究極の思想に触れ、行動分析学の可能性にワクワクし、ユーモアに一人声を出して笑うこともありました。
本を読み進めながら、この知識はこのケースに当てはまる、このエビデンスはこのケースの解決に役立つ、あの人に伝えたい、あの人に身につけてもらいたい、といった思いが都度湧いてきました。
大学で学習心理学他基礎心理学を学び、大学院で(応用)行動分析学他臨床心理学を学び、就職してからの6年間も学会の大会や研修、他の書籍で行動分析学を学んできました。
この本を大学の授業のテキストとして読んでいたら十分理解できなかっただろうし、もしかしたら苦痛を感じていたかもしれません。
今、行動分析家として活動する中で読了した故の良さも感じています。
逆に、大学・大学院でこの本を読了した方で、行動分析家になった方は今一度この本に触れることで新たな発見があるかもしれません。
私は行動分析学の本を執筆することはないと思いますが、職員研修や保護者支援、学校連携等地域支援を通して行動分析学の有用性を伝えていくために尽力したいと思います。