一番気に言ったことば「完璧さを求めるのではなく進歩を」
この本は、著者の提唱する、スピリッツ・チャイルドの育て方、数々の問題行動に対する対処法を紹介する本です。
スピリッツ・チャイルドとは、〜すぎる、子で、「癇が強すぎる」「かたくなすぎる」「感受性が強すぎる」「知覚が鋭敏過ぎる」といった子どもたちです。
spiritedということば自体は、「生き生きとした、創造的な、鋭敏な、熱中しやすい、エネルギーと勇気に満ちた、自己主張の強い性格をした」ということみたいです。
スピリッツ・チャイルドの特徴として、著者は、5つの性格を提示しています。
①とにかく気性が激しい(パニックを起こしやすい)、②手がつけられないほどかたくなな(頑固・こだわりがある)、③とても敏感である(感覚過敏・感情抑制が困難)、④いつでも知覚が鋭い(注意欠如)、⑤変化に適応するのが遅い(スケジュールの変更、気持ちの切り替え苦手)を挙げています。(カッコ内は私の見解)
発達障害、あるいはそのグレーゾーンの子は、ネガティブな印象とことばでスティグマを与えられることが多いと思いますが、スピリッツ・チャイルドということばは、子育てはしにくいけれども、子どものポジティブな特性に注目して、工夫して関わることで、良い面を引きだそうとする意味を含んでいると思います。
ここで扱っている子どもは、一般的には子育てのしにくい子、あるいは発達障害のグレーゾーンといわれる子だと思います。
正直残念な点として、アメリカと日本の子育て文化の違いや、事例(物語?)がメインの構成になっていて、主張が話の内容に埋没していて、拾いあげるのに集中力・注意力が必要だというところです。
よって、子育てに困難を抱える子をもつ親や、発達障害のある子を抱える子をもつ親がいきなり読んでも「???」となりやすいと思います。
ある程度発達障害の知識がある親御さんや、他の発達障害に関する本の副読本として読むのが良いと思います。内容はアドバンス(教科書的な内容から一歩進んだもの)だと思います。
言うことを聞かないのはどうしてなの?―スピリッツ・チャイルドの育て方
- 作者: メアリーシーディ,Mary Sheedy Kurcinka,菅靖彦
- 出版社/メーカー: サンマーク出版
- 発売日: 2002/11
- メディア: 単行本
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