たいやきさんは本を読む

臨床心理士・公認心理師の読書ブログ

仕事の愚痴final?

8月2日

怒りの矛先

いつも食が細いH君。食事中離席が多く集中できない。手づかみで食べる、食べ物で遊ぶ、
嫌いな食べ物を他の子に投げつけるなど問題行動が多く、注意されることが多い。

この日の昼ご飯には、僕用に盛った大盛りの冷やし中華を自分が食べると言い張り、
僕がH君には食べられないから駄目だと何度か注意すると、自分の手でぐちゃぐちゃと食べ物を触る。
そうすれば僕が「H君が食べなさい」と言うとわかってやった行為だ。
もちろん量が多く、半分位食べて食事への集中力が無くなり遊びだす。

冷やし中華を残したH君に「これどうする?」と聞くと、「夕ごはんに食べる」と言う。
僕は麺が伸びているし生野菜も少し乗っているので躊躇ったが、本人の意向を尊重し夕御飯に出すことにした。

夕食の支度はKさんが仕切っていた。
残した冷やし中華を僕がテーブルに出すと、「何これ?捨てて」と他の児童に言う。
しかし昼食の状況を知っていた児童は「Hが夜食べるって言ったから」と言う。
僕も昼の状況をKさんに説明する。
kさんは不満そうによそった夕食を片付けH君に残りを食べるようにキツク言う。

結局それもHくんは全部食べられず残す。
僕は再度H君にこれまでの経緯を説教し、食事を残したことを食べ物や作った人に謝りなさいと教えた。
H君が素直に「ごめんなさい」と謝ったので、僕は破棄することを許し流しに持っていこうとした。

その時、怒りの感情をむき出しにしてKさんが「どうするのこれ?」と言う。
僕はH君が謝ってきたことや、食べ過ぎて戻したりしたらいけないことを説明した。
しかしKさんはH君に、「食べると言ったんだから食べなさい!」や「こんなこと私は最初から反対だった!」(Kさんは反対の意見をここで初めて言う)とか、「僕さんは一度言ったらそれをやってください!こんなこと(途中で許すこと)をしたらそういうふうに見られるの!」と、大声で怒鳴りながらH君と僕を叱責した。

言うだけ言ってKさんは部屋から出ていった。僕は打ちひしがれ、何が正しくて何が悪かったのか解らずに落ち込み、何とも言えない感情に身を固まらせていた。Kさんが怒った場面から僕が打ちひしがれている場面までを見ていた数人の児童は「どうしたの?」「何で喋らないの?」と話しかけてきた。僕はもういっぱいいっぱいになって部屋を飛びだした。
それは退勤1時間前の出来事であった。

僕は職場内の公園にあるベンチでもやもやした気分を落ち着かせようとしていた。
遠くから「僕さーーん」と僕を呼ぶ子どもたちの声が聞こえた。外にいる僕を思ってのことだ。
僕は、今後Kさんとどうやって付き合っていったらいいのかを考えていた。
もちろん大人な対応としては謝罪して反論せず、事なきこととやり過ごすのが良いと思った。
だがその時の僕の感情は怒りや悔しさで溢れていた。
これまでの不満をぶつけてやろうか、パワハラで訴えてやろうか、泣き落としをしようか…

結果、答えが出ずに二時間が経ち、雨もパラパラと降ってきた。
勤務中の職員の誰一人として探しに来る人はいなかった。もちろん子どもたちも(児童は帰寮後外には出られない規則がある)

僕は寮に帰ったらいつまでもいるKさんと顔を合わせるだろうと思い、仕事時間が自宅に帰ることにした。
次の日は仕事休み。ストレスのせいか熱と咳が酷く、帰ってから翌日の夕方まで眠っていた。
薬を飲み、エアコンをかけていたにも関わらず、具合は良くならず、目を覚ますと汗をびっしょりとかいていた。
携帯の電源を入れると職場や上司からの電話が入っていたが、返す元気も気力も無く、もうどうでもいいという気持ちで
再度薬を飲み眠る。

夜七時。再度上司からの電話。何度も連絡をもらっていることに申し訳なく思い電話に出る。
昨日のことについて聞かれ、軽く話すと、僕のことを労ってくれた。
その上司(Aさん)は今食事前なので、一時間後に家まで行くから、話しをしようと言ってくれた。
その数分後別な上司(Nさん)からも電話があり、心配していることが伝えられた。
僕が昨日の経緯を話すと、「僕君は何も悪くないから、明日Kさんに何も言わずに帰ったことを謝って、明日行けるなら行ってあとは何もなかったかのように仕事をするといい」とアドバイスをしてくれた。

その後Aさんとファミレスで話しをした。昨日の経緯、これまでのKさんへの思い、ストレスに感じることを話した。AさんはKさんと何年も一緒に仕事をした経験から、Kさんの人当たりの悪さ、これまでKさんと働いた新人が何人も辞めたり、不満を言って他の寮に移動したことなどを話してくれた。「Kさんほどひどい人はこの職場にはいない」「あのじゃじゃ馬を扱えるのは俺だけだから」という言葉が印象的だった。Kさんは自分より年齢が上だろうと上司だろうと気を使わずに不満を露呈する人だが、Aさんの言うことは聞くらしい。

Aさんは、Kさんが子どもたちの前で職員を大声で叱責するのは問題があるし、子どもたちにも大声で怒鳴りつけるばかりなのは教育上良くないと理解を示してくれた。そしてAさんは、NさんやKさんその他役員を含め、今回の問題を機にKさんの問題をKさんのこれからの課題として話し合いの場を設けてくれることを約束してくれた。

AさんやNさんといった良い上司をもった僕は幸せである。

その次の日(8月4日)、僕はKさんに謝罪したが、「社会人として失格」「そんな人に宿直(といった責任ある仕事)は任せられない」という叱責を受けた。一応その時のKさんは冷静に語っていたので、僕は当然の言葉と受け止めた。

それから(8月5日以降)Kさんの態度はこれまでと打って変わったように優しくなった。

AさんやNさん、他の役員からどんな話があったかわからないが、これまでになく、Kさん自身から僕に話しかけてきたり、失敗してもフォローするように冷静にどうすればいいか話してくれたり、「自分も最初の頃は〜」という話をした時もあった。
その変化は異常と思うくらい極端だったけど、それから8月末迄Kさんと一緒に仕事をする苦痛は少し和らいだ。



始業時の予定通り、八月末でKさんのいる寮から移動となり、今は別な寮で働いている。


今のところ職員も皆気を使ってくれるし、以前の寮と比べ問題行動をおこす子どももかなり少ないしだいぶ楽。
Kさんには外で挨拶してもなぜか無視される。でも寮が違うと一緒に仕事しているわけでもないので、それほど気にならない。


パワハラの訴えのためにここに書いていたKさんへの愚痴もこれで終わりかなと思う。


(補足)その一年後に3カ月だけKさんの元で働いた時は、宿直業務やその他の業務を制限され、食事の準備の際には何もやらせてもらえず、ただ立っているだけにさせられるという制限を受けた。