たいやきさんは本を読む

臨床心理士・公認心理師の読書ブログ

本日読了[冊目]加藤俊徳・吉野加容子「脳を育てる親の話し方」☆☆☆☆☆

一番気に入ったことば「子どもには「子どものときにしかできなこと」を優先させ、「大人のやり方」を押しつけ過ぎないことがたいせつです。」


この本には子どもの健全な脳(感情や思考)を育むための方法が載っています。


例えば
・「子どもとの会話では「大事なことはピアニッシモ(穏やかな声)でささやく!」(大声で怒鳴らない)」
・子どもに「○○大好き」と伝える。
・子どもがしてはいけないことをしたら、「自分の大事な人が同じことされたらどう思う?」と問う
・「早く○○しなさい!」は禁句(脳の動きを止めてしまうから)
・褒める時は、途中で、こまめに、事実を褒める。
・状況を理解させるために、名前を呼び、失敗状況を指差し気付きを与える(3秒は待つ)。
・叱るときや、理解している時など、何か伝えるときに沈黙と表情で伝える。
・問題の丸付けは子どもにさせる。
・イライラさせるような受け答えをしない。グズグズしても取り合わない。
・我慢させたい時は、「残念だったよね」「○○したかったよね」など、まず共感の声掛けをする。
・嘘を吐いたときは、その事実を冷静に伝え、さらに相手の気持ちを言葉にして伝える。その時子どもの頷き(理解)や自分の非を
 認めるのを待つ。
・叱るときは、①子どもが正しい行動をして終わる。②対話を通す。③短くコンパクトに。④集中できる環境で。⑤心を叱らず、行
 動を叱る。⑥共感の言葉がけの後、正しい行動を伝える。
・親の習慣が子どもに伝わる事を理解する。



…その時々や目的によってこれらの方法は使う場面が異なりますので、詳しくは本書を参照してください。


このような考え方は児童養護施設で働く職員にとっても重要な箴言であると思われます。


子どもたちの将来のために、将来の健全な心(脳)と身体の育成を考えながら接していきたいと思っています。



脳を育てる親の話し方 その一言が、子どもの将来を左右する

脳を育てる親の話し方 その一言が、子どもの将来を左右する