一番気に入ったことば「自分の心の状態に気づく」
著者が敢えて「ひきこもり」ではなく「閉じこもり」という言葉を使っているのかわからなかった。
僕がきちんと読めていないだけかもしれません。
この本はひきこもりの子どもを持つ親のために書かれた、ひきこもりの理解を進めるための本でしょう。
事例も多く載っていて興味深いのですが、就労や家庭環境、親子関係などかなりステレオタイプな見解が多く感じました。
それゆえに一般受けはいいのでしょうけれど、支援者がステレオタイプな見方で引きこもりの方を見てしまうおそれがあるので
支援者にはお勧めしません。
また、7章の「閉じこもりから抜け出すには」では、引きこもりの当事者本人のための方法論が書いてあります。
自律訓練法など有効なものもあると思いますが、「こういう考えがすんなり入ったら引きこもらないんだろうなー」と思うものが殆どでした。
そのような「良い」考え方の難しさや、やる気になれない気持ちについて(親を含めた)支援者が
引きこもっている個々人に対して考え、対応していく必要があります。
引きこもりの殆どは、本人の心の問題にのみ起因していると考えるのは間違いです。
親を含め、支援しようとする人がいなければ回復しがたいものです。
「閉じこもり」から抜け出すには:不登校・ひきこもり・出社拒否のカウンセリング
- 作者: 前川哲治
- 出版社/メーカー: 創元社
- 発売日: 2010/05/13
- メディア: 単行本
- クリック: 3回
- この商品を含むブログ (2件) を見る