たいやきさんは本を読む

臨床心理士・公認心理師の読書ブログ

本日読了[385冊目]中村ユキ『マンガでわかる!統合失調症』☆☆☆☆☆

一番気に入ったことば「正しい知識はまわりを照らし出す光のようだ」



漫画と雑誌はカウントしない予定でしたが、敢えて載せました。


というのは、統合失調症の当事者や家族、そして治療者や援助者に一読をオススメしたいと思ったからです。


基本的な知識の他に、統合失調症の母親を持つ著者自身の視点で、
薬の副作用や病院選び、本人や家族が気をつけるべきことなどなど本当にわかりやすく説明されています。


僕自身は心理臨床かとして病院臨床に携わる際に必要な知識を増やそうと読んでみました。


精神病院入院患者の6-7割は統合失調症患者とされています。


再発の可能性が高い慢性疾患とされていますが、薬物療法心理療法、家族のサポートなどにより寛解する病です。


長期入院や細かな援助が必要な患者は約20%。


抗精神病薬と社会的サポートで約50%の患者は独立した生活を送れます。


また、初回発症から適切な治療を行えば、95%の方は1年以内に通常の社会活動が可能な水準まで回復します。



妄想や幻覚などの陽性症状から未だ偏見の多い病気です。


また、感情鈍磨や、やる気低下などの陰性症状では、わがままや怠けとされることも多い。


精神疾患発達障害がある人に反射的に嫌悪感を抱く人が多いような気もするのですが、
精神疾患発達障害の知識が一般にも広まり、正しい知識を持った人が増えることを願います。


マンガでわかる! 統合失調症

マンガでわかる! 統合失調症