一番気に入ったことば「保護者面接では子を思う親の価値観こそ大切にされなければならない。」
まさにスクールカウンセリングの基礎知識とは何かについて学びました。
「いま学校で起きていること」の章では、学校現場で心理臨床家が扱う問題、
例えばいじめ、ひきこもり、不登校など、項目毎に基本的な知識が学べます。
児童生徒の障害」の章では発達障害、学習障害、ADHDなどが学べます。
「スクールカウンセリングの療法」の章では現場で使う心理療法が紹介されています。
もちろんこの本だけでは技術は身に付きませんが、来談者中心療法とは何か、継時近接法とは何か、遊戯療法とは何かについてはわかります。
この本に書かれている内容は臨床心理士を目指すなら当然知っている知識です。
でも細かいところでまだまだ学ぶことはありました。
岡昌之担当「来談者中心療法」の一節にも気に入ったことばがありました。↓
(…)受容とは、単にやさしくするとか、相手の甘えを認めるとかいうことではない。むしろ「人生いろいろ」というような、甘辛の感覚、苦みをあじわう感覚をともなう心的作業であり、やさしいまなざしと共にきびしいまなざしを必要とするそれである、ということになろう。
子どもの心に深い不安が潜んでいるとき、相手が表面的なやさしさで接してきたら、子どもは決して楽にはならない。いわば子どもの中に深い影があるときには、カウンセラーの中にも相手の深い影を収納できるくらいの暗い世界が感じられていることが必要であろう。
- 作者: 楡木満生
- 出版社/メーカー: 新書館
- 発売日: 2002/06
- メディア: 単行本
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