一番気に入ったことば「私たちにできることは、結局、効果的な質問をしていくことしかないのではと思います。」
質問は、単に情報を聞き出すだけでなく、様々な効果を持たせることが可能です。
発話を促す、面接者の理解や興味関心を伝える、面接者が立てた仮説を検証する、クライエントの本音を引き出す、あらためて考えてもらったり考えを深めたりしてもらう、話の流れを作る、などなど。
また、繰り返しや断定の言葉を用いて質問のように聞こえない質問をするのも効果的です。
あまりに質問だらけの面接になってしまうと、問い詰められている、話さなければならない、疑われているなどと思われることもあるので注意が必要です。
この本では、家族面接に対応するための心構えや技法が載っています。
ジョイニングに始まり、仕掛ける面接、さぐる面接、引き出す面接、支える面接、物語を紡ぐ面接と題された各章の中で、各章の筆者が面接のためのコツを述べています。
比較的初心者向けだと思います。
各章によって筆者が異なるためか、各人の現場の色が強く出ている印象もありました。
この本のコツを全て役立たせるというより、この中の何が自分の面接場面に適用できるかという視点で読んでいくと役に立つと思います。
子ども・家族支援に役立つ面接の技とコツ 〈仕掛ける・さぐる・引き出す・支える・紡ぐ〉児童福祉臨床
- 作者: 川畑隆,衣斐哲臣,菅野道英,笹川宏樹,梁川惠,伏見真里子,大島剛,宮井研治
- 出版社/メーカー: 明石書店
- 発売日: 2012/12/01
- メディア: 単行本
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