一番気に入ったことば「ポジティブ・リフレーミング」
家族面接でもとりわけリフレーミングに特化した本ということで手に取ってみました。
本文にあったような濱田恭子さんの言葉「とにかく、クライエントさんを肯定することよ。セラピーはそれだけで十分」に感銘を受けました。
もちろん、その言葉の表面的な意味だけで十分ということはないと思います。
僕は面接をする際に、クライエントがその日の面接を終えて、来てよかったと思う何かを持って帰ることができたなら成功だと思っています。
その為に、ポジティブ・リフレーミングの技法をマスターしたいと思っています。
著者はこの技法をP循環療法と呼んでいます。
P(ポジティブ)循環を行う為には、セラピスト自身がポジティブな要素に気付くことと同時に、またP要素を引き出すような質問をします。
他に、ホームワークを使って行うものもありますが、まだ初心者の僕は、基本的な非指示的P循環を行えるよう訓練中です。
他に、この本に書いてあったことで感銘を受けた言葉に、システムズアプローチでは「クライエントとセラピストが共同で真実を構成することがより良き治療的展開につながる」というものがありました。
セラピストはしばしば、問題の本当の原因を探してしまいますが、システムズアプローチでは円環的因果論の考えから、結果は一つの原因から産まれるものではなく、また結果も原因となり得ることを示しています。
セラピストが真実に気付きクライエントが気付いてないという思いこみは、抵抗(防衛)の強いクライエント像をつくりだすことにつながるかもしれません。
システムズアプローチでは、認知的傾向をフレームと呼びますが、これは認知的アプローチでいうスキーマ、精神分析的アプローチでいう局所論と共通する部分があります。
また、ジョイニングも、クライエントセンタードアプローチのセラピストの共感性や傾聴と共通する部分があります。
さまざまな学派の理論や技法を知ることで、セラピーに必要な要素の本質が見えてくると考えています。
- 作者: 東豊
- 出版社/メーカー: 日本評論社
- 発売日: 2013/03/08
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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