本日読了[351冊目]浜田寿美男『心はなぜ不自由なのか』☆☆☆☆☆

一番気に入ったことば「神の視点」



私たちは自由に選択しているようであっても、無意識に拘束され、選択が狭められていることがあります。


筆者は取調室で、無実であっても自白してしまう心理メカニズムに心の不自由さを見出します。


また、個人の経験や社会的な文脈によって羞恥心が起こってしまう例と、羞恥心の無い自閉症の方の例を取り上げ、
自由と不自由を問います。


さらに、昆虫の行動と人間の視点を対比することで、筆者が「神の視点」とよぶ不確実な「自由」の生成について述べます。


自由が選択肢を選びとる権利を指すなら、不自由はその権利の剥奪のことを指します。


現実的には選択できないのに、選択できると思いこんでしまったとしても、私たちは自由だと感じるでしょう。


「神の視点」が入り込む「観念上の選択肢」は、誰にでもごく自然に心に浮かんでくるものです。


自分の行動が、あるいは周囲の人の行動が、自由選択によって成り立っていることなんて、
かなり少ないのかもしれない。


また、「行おうとしてできないこと」について、行おう(できる)と考えること自体が間違っているということに気付けば
あまり不自由さを感じなくてよくなるかもしれません。