一番気に入ったことば「戦略的技法」
家族療法を少し深く学ぶために読んでみました。
すごくわかり易い本です。
第一部では家族療法の理論や技法など、教科書的な記述。
第二部では数名の心理療法家の、異なる家族療法理論に基づく事例報告。
家族療法は、家族をまとまりのあるシステムとみなし、家族の関係を重視しながら心理治療を進めます。
背景とする理論は、多世代文脈理論、構造的理論、戦略的理論(ブリーフ・アプローチやソリューション・フォーカスト・アプローチとも)、物語理論などさまざまですが、精神分析や認知行動理論を取り入れつつ総合的にアプローチする方もいるそうです。
僕は特にブリーフセラピー(短期療法)やソリューションフォーカストアプローチ(解決志向アプローチ)に興味があります。
心理的な病気は、完治が困難なものもあり、長期的に付き合っていく必要のある病が沢山あります。
身体的な病気でも長期的に付き合っていく場合があり、それこそ人生を通して投薬治療や通院を続けることもあると思います。
それでも、ある程度回復の目処や治療期間の見通しは欲しいものです。
また長期的な治療は、クライエントの経済的な負担も多くなってしまったり、セラピストとクライエントの依存関係を形成してしまったりする場合もあります。
その点、ブリーフセラピーやソリューションフォーカストアプローチは、未来志向であり、回復志向なところに共感できます。
事例報告では、心理治療がこんなに影響するの?!というくらい改善されることに驚きと不思議さと疑問と感嘆の入り混じった思いになりました。
もちろん中にはあまり解決できてないものや、結局時間的解決とか言っちゃってるものもありますが…
(否定ではありません、それらの方向性には一理あります)
どんな心理療法家になるかは、どんな師匠につくかによると思うので、慎重に選択したいと思います。
- 作者: 亀口憲治
- 出版社/メーカー: ミネルヴァ書房
- 発売日: 2006/01/01
- メディア: 単行本
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