本日読了[330冊目]日本編入学院著・杉田貴行監修『はじめて学ぶ臨床心理士指定大学院入試問題集 改訂版』☆

一番気に入ったことば「ヌース原因説」



この本の構成は「第一部:心理英語編」「第二部:心理専門編」にわかれています。


第一部は14問中10問が英文和訳問題。他は用語穴埋め問題が2問、英文の内容を問う問題が1問、和文英訳問題が1問。


英文読解の解説も少々ありますが、この本だけでは少なすぎます。きちんと英文和訳の力をつけたい人は他の英文解釈の問題に取り組むことをお勧めします。


第二部は専門用語の知識を問う問題。55問中45問が正誤問題か選択問題。問題毎に簡単な解説があります。残りの10問は記述問題です。解答と同量程度の解説があります。


正誤問題と選択問題は気軽に知識を試してみるのに良いと思います。ただ、同様の知識を問う問題が何度も出てきて、扱っている範囲も限定的であるため、この本だけでは学習が不十分です。少なくとも僕の受験する大学院の勉強には不十分だと思いました。


記述問題は、人間性心理学、精神分析、分析心理学、投影法、双生児研究、面接法、臨床心理学の歴史、家庭内暴力とスクールカウンセリングについて。


問題の量も範囲も説明も中途半端です。内容がアセスメント法と精神分析人間性心理学の分野に偏っています。


巻末にある「研究計画書実例」はなぜ載せたのかわからない。もちろん大学院によって提出の書式は異なるのですが、あまりに簡素すぎて参考にならないと思います。もし研究計画書について言及したいのなら、記載内容や参考文献はもっと現実的なものにして、記述形式について説明するほうが親切だと思います。


また、改訂版にもかかわらず誤字脱字、接続詞や助詞の誤りなどが多いです。記述問題における人名の記述形式の揺らぎも気になります。


おそらく数人の人が解答を作成していると見受けられますが、文章の下手な人が書いているなというものがいくつもあり残念です(もちろん中にはまともなものもあります)。


記述問題の「解説」と「解答」の位置づけも明確ではないし、問題→解答形式でもっとちゃんとした本(例えば『新・心理学の基礎知識』)を参考にした方が賢明です。


まぁ、僕のように、この本の解答の添削をするといった勉強法もありますが。


教科書や問題集は、お金をいただくという責任の他に、学習者に正確な知識を与えなければいけないという責任もあります。


教科書や問題集を作る方には、学習者が戸惑うことの無いよう、知識の根拠を明確にするとともに、信頼性を失うような誤字脱字や記述の誤りを減らす努力を怠らないようにしていただきたいものです。


「はじめて学ぶ」とありますが、「試しにやってみる」程度の問題集と捉えた方が良いでしょう。



はじめて学ぶ臨床心理士指定大学院入試問題集 改訂版

はじめて学ぶ臨床心理士指定大学院入試問題集 改訂版