たいやきさんは本を読む

臨床心理士・公認心理師の読書ブログ

おさけについてのえせー

最近おさけ(飲み)の話がPS内(僕の大学の心理学学生研究室)でちょくちょく上がるのですが。


一人のみ(またはさし飲み)の楽しさを知らない人が多いので、少しそこら辺について書こうと思います(酔っ払いの戯言)。


1.お酒は酔う為に飲むものではない。お酒は味と香りを楽しむものである。

  
→僕は何が食べたいかによってお酒を選んだり、何が飲みたいかによって料理を選びます。例えば、ソーセージや唐揚げ等、脂っこいものにはホップのフレーバーと炭酸でさっぱりするビールや、冷たくて炭酸の適度に効いたハイボールなんかを合わせます。その際、黒豚料理やスモーク料理等濃い味には黒ビールやある程度熟成した香りが濃いめのウイスキーで作ったハイボールを合わせます。塩コショウのようなあっさり味のものにはビールならピルスナーハイボールなら若いウイスキーを使って軽めに仕上げます。



2.独りで飲むのに贅沢はいらない。質素の美学。


→例えば赤ワインを飲むとき、僕はシンプルにチーズとフランスパンとかでやったりします。チーズは好みがありますが、あまりにリーズナブルだと味に深みが無いというか、面白くないので、どうしても値がはりますが、ちょっとだけこだわってみたり。ちびちびやる分にはそれほどでもない。ミルク感や塩味の濃厚なものが好きです。パンについては、大抵日本のパン屋さんはレベルが高いので、近所のパン屋さんでハード系、ライ麦、ナッツが入ったものなどを売っているお店で購入してそのまま素材の味を楽しみます。
今バタール(フランスパンの一種)を味わっているのですが、焼けた外皮の香ばしさと中のふわっとした部分の乾燥した小麦の香りがたまらない(>▽<)



3.お酒は味より香り


→よくお酒を「苦い」とか「甘くない」とか言って敬遠する人がいますが、お酒は口の中で五味を味わうのものというより、口に含む直前に外から鼻に通る香りと、飲み込んだ後に感じる内側から鼻に抜ける香り(余韻)がおいしさの80%を占めると思っています。エールのフルーティーな香り、日本酒の甘さとほのかな醗酵臭、赤ワインによるベリーや柑橘類、花や植物の自然な香り、スコッチウィスキーの樽の香り、バーボンウィスキーのバニラの甘美な香り、などなど。
それゆえに、香りのためにグラスにもこだわります。たとえば、口に含む前のフレーバーを楽しむ赤ワイン、ブランデー、エールなんかは、飲み口に鼻が入るくらい大きく開き、チューリップ形になっていてグラス内に香りが保たれるようなものを用います。逆に白ワイン、日本酒、ラムなど余韻を主に味わうお酒は飲み口が小さくてもかまわない。そのようなお酒は舌の上を滑らせるように飲みこみ、余香を楽しみます。

いつもは若いワインを好んで飲むのですが、この前少し年季の入ったワインを飲むことがありました。赤ワイン独特の酸味がありつつ、樽の香りとほのかなカビ臭がなんともスパイシーな香味を感じさせ、同じように醗酵と熟成を得たチーズとベストマッチでした♪



4.雰囲気(場の空気)を味わう


→大人数の飲み会だと、皆楽しい雰囲気になり、そのようなワイワイとした雰囲気が好きという人がいます。僕も嫌いではありません。しかし独りで飲むときの静かな雰囲気の中に、適度に胸躍る自分自身を感じられるならば、心地よい感覚と記憶の世界に浸る時間を楽しめるでしょう。僕の部屋は本やらゲームやらが沢山あり、生活感が充満していて日常を忘れられる場所ではありませんが、それでも夜にお香を焚いて、間接照明だけにして軽く好きな音楽を流すだけで別世界(内的な世界)にトリップできます。季節によっては窓を開け虫の声を聞いたり、空に浮かぶ月を視たりするのもいいでしょう。冬なら窓の外に深々と降る雪を眺めながら熱燗を飲むのも一興。
日常の喧騒を一時忘れられるのは、すごくリラックスできる時間だと思います。


5.自分語りを楽しむ。


→独り飲みやさし飲みで空気を読む必要はありません。独りで飲んでいるとそのうち自分の内面と語る時間が訪れるでしょう。それは瞑想に近い浄化があるかもしれません。あるいは嫌な自分と向き合い悲しくなるかもしれません。しかしそのような時間は人生において貴重なものです。自分を見つめないで年をとった人間は他者に対して適切な目を向けられず、独りよがりな孤独に陥るかもしれません。
さし飲みでは大いに自分語りを楽しみましょう。その際相手の自分語りも同量受け入れることがお互い楽しむための秘訣です。相手の現在の状況、価値観、そして他愛ない言葉の選択と比較して、自分自身に向き合う時間を作れたなら、お互い有意義な時間を過ごせたと思えるのではないでしょうか。
もちろん心を許せるような、胸襟を開いて語り合える仲なら、自分の一部と語り合っているような心地よさを感じられるに違いありあません。


お酒は心の潤滑油。人と人との、そして自分自身の心にも。


酔っ払い万歳(*^。^*)▽