一番気に入ったことば「おひさまいろのきもの」
回顧的な日本の風景がとても綺麗に描かれていて、ふと手にとって読んでみました。
育ての親を失った僕としては、優しいお母さんが描かれているこの物語は、幼い頃の懐かしい情景を思い出すと同時に、これから先家族の優しさに触れることはもうないと感じ、悲しい気持ちにもなってしまうのでした。
この物語の素晴らしいところは、貧しいながらも工面して糸を買い、染め、布を織り始めるまでは母親がやってくれますが、途中から主人公の女の子自身が織って完成させるというところです。
母の優しさを受け取るだけでなく、自分も母を想い、自らの努力で応えることでお日様色の着物が完成する。
僕も貰うことより、与えることができる大人に成りたいという理想はありますが、実際はまだまだ努力が足りませんね(^_^;)
- 作者: 広野多珂子
- 出版社/メーカー: 福音館書店
- 発売日: 2007/09/30
- メディア: 単行本
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