たいやきさんは本を読む

臨床心理士・公認心理師の読書ブログ

やま四季ものろーぐ

僕は幼少の頃田舎で育ったので、


春には新期を感じる土煙る香り


夏には爽快且つ濃厚な新緑の噎ぶ香り


秋には香ばしい豊潤な稲穂の香り


冬には清廉な雪の香り


当たり前のように生活の中で四季の香りの変化を感じていました。


しかし市内に住むようになって、そのような自然の香りを覆い尽くす人工的な…洗剤や芳香剤の匂い、人の匂いや溝の匂い、ある時間には食事の匂い…に囲まれ、自然の香りを感じる瞬間が少なくなったように思います。


それでも春になると、あちらこちらから花の香りがして心地よい感覚に浸る瞬間が幾度も感じられます。


窓を開けると、かすかに土埃の香りに乗って芽吹く植物の香りがします。春の香りを感じて、自分自身も新たに出発の頃を迎えたような気持ちになります。