たいやきさんは本を読む

臨床心理士・公認心理師の読書ブログ

今日の心理学用語25「恒常現象」

恒常現象「constancy phenomenon」



「例えば1メートル離れたところにある本を見て、それを手元付近で見ても感覚的にはほぼ同じ大きさに見受けられる。また、晴れた日に外で白いシャツを見た後で、輝度の低い屋内で同じシャツを見ても白さが変わったようには思えない。

 目や耳といった感覚器は、まさに今受け取っている刺激(近刺激)が変化しても、大きさや色、速さや音の大きさなどが物理的な変化に比較して恒常に保たれる現象のことである。」


僕は視知覚に関する心理学を主として学んでいます。生理学や物理学の知識が沢山混入してくるので大変です(>_<)


例えば視知覚に関して色の恒常性では、働きの異なる二種類の細胞の一方が色の変化を感知したとしても、もう一方が周囲の色と比較して輝度の変化が無いとみなすことで状況による色の変化に対応しているようです(皮質の視覚細胞V1とV4が…まぁ難しいことは専門に勉強する人だけで)。


ホント、ネ申が関与していると思えるような人知を超えた機構が、知覚情報の無意識的処理を行っているのです。