本日読了[219冊目]宮下規久朗『食べる西洋美術史「最後の晩餐」から読む』☆☆☆

一番気に入ったことば「肥満は恥どころか、社会的威信を表すものであった。」



美術にはちょこっとだけ興味があるものの、知識はほぼ皆無。超有名人しか知りません。この本に出てくる人物名のほとんどは知らないとゆー…。


それにしても西洋美術史のエッセンスを学ぶには良い本だと思いました。西洋美術にはキリスト教とその文化的背景が色濃く表れています。


食べることと生きることは密接に関係しています。プラトン的なエロースの世界です。それは官能的でもあり卑猥でもあるような情動を掻き立てます。


絵画には、現実や写真よりもさらに心情を凝集して表す力がある思います。この本の中で特に目を奪われた画は、レンブラントの「皮を剥がれた牛」とカンピの「リコッタチーズを食べる人々」です。いやはやなんとも。


著者も言及してますが、食事は単に生命の維持だけでなく、社会性や文化であり、時にコミュニケーションの手段でもあり、時に美と技巧の研鑽を見ることもできる。


ところで僕は飲食店で券売機の置いてあるところと、人がいないのに流れてくる寿司屋があまり好きではありません。そこには効率化を求めて何か大切なものをなくしているような物足りなさを感じるのです。



食べる西洋美術史 「最後の晩餐」から読む (光文社新書)

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