一番気に入った言葉「出来るのは、生きている人間の為に働くことだけです。」
僕は、主人公の村岡が夏子と恋愛している間の話に、まさに世界は喜びに満ちているような感じを受けました。
しかし村岡は突然愛する夏子を失い、そして哀しみの内に人はみな憐れであると言います。
上記の「ことば」から、哀しみの世界から救ってくれるのは現実に向って生きている周囲の人々である、と僕は受けとりました。
愛する者を失うのはとても辛い。
悲しみが幾度となく心の底から湧きあがってくるあの辛さ、もう経験したくない。
しかし喜びに憧れる僕はまた誰かを愛するのだろう。
僕も一人の憐れな人間でしかない。
- 作者: 武者小路実篤
- 出版社/メーカー: 新潮社
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