たいやきさんは本を読む

臨床心理士・公認心理師の読書ブログ

本日読了[186冊目]池谷祐二『記憶力を強くする 最新脳科学が語る記憶のしくみと鍛え方』☆☆☆☆☆

一番気に入ったことば「脳はいい加減なヤツ」



脳はコンピューターのように精密な記憶や保持ができない代わりに、情報を汎化し常に変化していく環境に対応する柔軟性を持っています。そして曖昧な記憶は連想を呼び創造性という能力を人間に与えてくれています。


途中に化学的で細かな内容を含むので、難しい部分もありますが全体としてはわかり易く、また科学と人間性という一見相反するものの見方を両立しようとする姿勢に好感が持てる内容です。


この本で語られている「記憶力を強くする」方法をあげてみたいと思います。


①大人になったらテストの回答のような「意味記憶」より経験的な「エピソード記憶」が向いている。
②海馬が記憶する際活性化している時に出るというθ波を出す為には物事に興味、関心を持つ。
③適度な緊張感をもって学習すること。緊張感が無い状態、または過剰なストレスは記憶に良くない。
④学習は「法則性」と「理解すること」に注目する。
⑤視覚情報より聴覚情報のほうが心に残る。
⑥不用意に沢山記憶を詰め込むと、かえって覚えが悪くなる。
⑦一か月以内に復習をする。
⑧6時間以上寝る。
⑨はじめは大まかに全体像を捉え、次第に細かい内容を覚える。
⑩勉強に関しては得意科目をつくること。
⑪諦めない忍耐力。
⑫やる気。


なんかやる気がでてきました。とりあえずコーヒーを淹れて、勉強をしましょ。