たいやきさんは本を読む

臨床心理士・公認心理師の読書ブログ

かてきょものろーぐ

現在三人の高校受験をひかえた生徒さんを持っています。


一人は推薦で合格(おめでとう)。一人はLDの疑い(すごく頑張っているはずなのに英単語が覚えられない…)。一人は能力は高いけど頭痛持ちで長時間集中できない(可哀想)。なんとか志望校に合格してもらいたいものです。


中学、高校で得点できる人について、多くの生徒は能力的に秀でているというよりは能動的に勉強するか、受動的に勉強するかの違いで差が出ると思います。


勉強が嫌いでしょうがない生徒さんは、課題をやらないのは普通で、やっても適当に選択肢を選んだりすぐ諦める。答えがある場合は答えを丸写しします。短絡的に苦痛から逃げる方法をとるのです。


知的好奇心を喚起させるような学習が学校で行われるのは稀で、ほとんどは作業的に受動的に従順に先生の言ったことをこなすことばかり練習させられるのです。


その結果、真面目に先生の言うことを聞いているだけで大学進学できた人は、言われたことをいかに手を抜いてうまくやるかを考えるようになるのですね。何となく進学して勉強が嫌いな人は単位を取るために講義に出席し、剽窃やコピペに時間を費やす。


そして自分がいったいなぜそのようなことをしているのかもわからないまま、無自覚な人生に不満を持つようになっていく受動人間の完成です。


でも受動的な人間が沢山いるおかげで、日本は平和だし、人生の不満を物やサービスで満たして経済が回っているようにも思えます。


能動的で意欲に満ちた人や、批判精神をもち揺るぎない自己を持つ人は、一般的な価値を持つのではなく、マイノリティであるがゆえの価値があるのだと思います。