たいやきさんは本を読む

臨床心理士・公認心理師の読書ブログ

今日の心理学用語18「失語」

失語 (Aphasia)



「大脳半球の言語に関する領域の損傷によって言語機能が障害をうけ様々な言語活動の一部、または多種にわたり活動困難になった状態をいう。
口腔部位のマヒなどによる発声運動器官の障害や耳における感覚受容器官の障害、知能障害、感情障害、意欲障害などからくる言語障害は除かれる。

発語の流暢性、読解、書字、計算など言語活動に関する障害の受け方によって諸種のタイプの失語症に分類される。

大きくブローカ失語(運動性失語)とウェルニッケ失語(感覚性失語)にわけられ、前者は左前頭葉下部に位置するブローカ領域の損傷によるものとされ、言語理解はよくできるが発語が困難になるものであり、後者は左大脳半球の第一側頭回の後部1/3の領域であるウェルニッケ領域の損傷によって発語は流暢だが言語理解が困難になり、支離滅裂な話をしてしまうものである。」



言葉というのは単に脳に浮かんだイメージを外界に発するものではない。頭の中では理解しているのに言葉にすることがうまくできないものや(運動性失語・ブローカ失語)、言葉の持つ意味や文脈が頭の中でうまく組み立てられないが、それをそのまま言葉として発してしまう(感覚性失語・ウェルニッケ失語)ものがある。


家庭教師をしている僕の生徒さんに会話をする時の反応はそれほど悪くないけど、本を音読させると変なところで息継ぎしたり、読解能力がかなり低いと感じる子がいます。言語理解に関するウェルニッケ領域にやや障害があるのではと推測してしまいます。さらにその障害の度合いは連続性を持つものであり、正常な人であっても、言語理解や運動性発語に差があるのではないかと想像します。


僕自身も脳内にあるイメージを流暢に言葉へと変換できる時と、言いたいことがうまく言葉に変換できなくてもどかしく感じる時があります。これはもしかして睡眠時間や食事などにより脳の部分的な活動が活性化したり混濁したりするのではないかと推測されます。